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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第143話

小田原駅「デラックスこゆるぎ」「漁師丼」

漫画アクションの『駅弁ひとり旅』第143話読んで笑っちゃったわ!

え? どこ、どこ?

菜々 : 小田原駅から、箱根湯本駅まで行くシーンよ。
大介 : あ~! 小田急ロマンスカー! V,S,Eだ!
あれね、ぼ、ぼ、僕は、普通の電車で行くつもりだったんだよ。
菜々 : だったら、普通電車で行けばいいじゃん。
大介 : でも、ほら、美樹さんは外国人じゃない。わざわざ特急で行く
距離じゃないこと、わからないもの。仕方ないってば。
菜々 : とかなんとか、必死で言い訳しちゃって。もし、私だったらどうするの?
特急券もったいないから各停で行こうぜって言うくせに。
んもー、大ちゃんは、美人には甘いんだから!
大介 : そ、そ、そんなことないよ。
菜々 : いいえ! ケンチャナヨ!(ノープロブレム)なんちゃって、特急券だけじゃなくて、
駅弁だって、チョコチョコ奢ってるじゃん。美樹さんには。
今まで、私に駅弁、奢ってくれたことあったっけ?
大介 : あ、あるよ。特急「富士」の中で、横浜の「シウマイ弁当」!もう、忘れちゃったの?
菜々 : そ、そんな、大昔のことをほじくり出しちゃって。
大体、特急「富士」なんて、もうとっくの昔にないじゃん!
大介 : そうだよね。おお、富士よ……。グスン。
菜々 : あ、ごめんね。悲しいこと思い出させちゃって。
大介 : ううん、いいんだよ。ほら、九州新幹線全線開業で「さくら」と「みずほ」が
復活したじゃない。次はきっと「富士」がカムバックする!
菜々 : フゥ~ジィ~! カムバック!(シェーン、カムバックの真似)
大介 : 菜々ちゃんも、若いくせに、オヤジ入ってるね。
菜々 : ええ、週刊アクションの中阪デスクのお蔭です!
中阪 : へ、へ、ヘックショイ!
菜々 : ところで大ちゃん、小田原駅の駅弁「漁師丼」って豪快だね!
大介 : うん。抜群に旨いね! 東海道本線一の老舗東華軒の力作駅弁だよ。
菜々 : 小田原駅の駅弁屋さん、東華軒っていうのね。
大介 : 最初は小田原駅じゃなくて、明治21年(1888)に国府津駅で開業したそうだよ。
東海道本線で最初の駅弁だった。
菜々 : ええ? 東京駅よりも古いんだ!
大介 : ブッブー! 東京駅は大正3年。最初は新橋駅でしょ。
明治5年の鉄道唱歌、忘れちゃったかな?「♪汽笛一声新橋を……」
菜々 : ハイハイ、大ちゃん歌はもういいからね。でも、明治5年の新橋よりも、
明治21年の国府津駅の方が、駅弁が早いなんて不思議だね?
大介 : うん。開業当時の列車は、イギリス製で超ハイテクだから、
車内での飲食が禁じられてたんじゃないかな? 区間も最初は新橋~横浜間、
所要時間53分だから、お腹が空くほど時間はかからなかった。
菜々 : 東海道本線が全線開業したのは?
大介 : 明治22年。国府津駅で駅弁が販売された翌年だよ。
菜々 : な~るほど。そのころから長距離列車になって駅弁の需要が生まれたのね。
ところで、小田原駅まだなかったの?
大介 : だって、当時の東海道本線は、小田原経由じゃなくて、国府津から御殿場経由だよ。
今のように東海道本線が小田原経由になるのは、昭和9年だから、ざっと50年後のこと。
菜々 : そっか! 当時は小田原駅じゃなくて国府津駅が東海道の華だったのね。

(東華軒の由来、正しくは、東国東海に咲く見事な花でありたい。華軒は貴人乗用車の意より)