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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第109話

磯の漁火

大ちゃん、『駅弁ひとり旅』第109話に登場している北陸本線の
食パン電車って、本当に食パンのように、まったいらな顔ね。

JR西日本のモハ419系のことだね。もともとは寝台電車583系から通勤電車への改造だから、どうしても無理がある。デザイン的にはどうしようもなかったみたいだよ。

菜々 : 元寝台電車ですって?
大介 : うん。高度成長時代の昭和42年に誕生してね、昼は座席特急「みどり」、夜は寝台特急
「月光」に変身して、昼も夜も休みなく走っていたんだよ。
菜々 : まるでモーレツ社員みたいな電車ね。♪24時間闘えますか?
大介 : ハッハッハ、菜々ちゃん、ずいぶん、オヤジギャルになったね。
菜々 : 大ちゃんのおかげですよ~だ。
大介 : そんな、オヤジギャル菜々ちゃんにもチョーお薦めな駅弁が、直江津駅の
「磯の漁火」だよ。
菜々 : あ、直江津駅といえば、老舗駅弁店ホテルハイマートの社長さん、チョー有名人よね。
こないだもテレビに出てたわ。
大介 : うん。あの社長さんが考案した駅弁が「磯の漁火」なんだけど、驚いたね。二段重でね、
サザエはどーんと貝殻ごと入ってるし、ズワイガニ、甘エビ、ニシンの昆布巻など
よく1150円で作れるなって、感心するほどの内容さ。
菜々 : すごーい。食べたーい。
大介 : なんでも、社長さんがお酒を飲むとき、考えたんだって。こんな肴があったらいいなって。
菜々 : あ、お酒のおつまみ……だ。そうだったのか。それは、社長さんがお酒を飲むときの
肴だもん、ケチケチしないわよね。
大介 : うん。だから、採算度外視!
菜々 : なーるほど。その点でもオヤジギャル向きだわ。日本酒が一番合いそうだけど、
白ワインも合いそう。
大介 : そうだね。僕だったら、最初はビール、続いて日本酒のカップ酒の順番だけど、
日本酒の代わりにライスワインもいいな。
菜々 : オットト、大ちゃん、ライスワインは日本酒のことじゃない。
大介 : オウ、アイムソーリ! 英語に弱くてヒゲソーリ!
菜々 : んもう。寒~う! ところで大ちゃん、直江津から北陸本線で糸魚川へ行く時って、
トンネルが多いんですって?
大介 : うん。昔は海岸線を走ってて日本海の絶景が楽しめたけど、今は大半がトンネルで、
海がよく見えなくなっちゃった。それでも、谷浜駅と有間川駅付近は目の前が日本海で
夏ともなれば谷浜駅前は海水浴場だよ。
菜々 : それなら、海をみたくなったら谷浜か有間川で途中下車すればいいのね。
大介 : うん。「磯の漁火」買ってね。お酒は「越乃寒梅」で決まり!

食パン電車