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駅すぱあとアンテナ(メールマガジン)

2014年10月号








世界規模のイベントが開催される時、街はその表情を大きく変えることがある。2020年の夏季オリンピック開催にむけて、東京もにわかに動き出しつつある。

ちょうど半世紀前の1964年、第18回東京オリンピックが開催された。当時は"オリンピック景気"とも言われ、白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫の"三種の神器"から、カラーテレビ、クーラー、カー(自動車)、それぞれの英語の頭文字をとって「3C」を得ることがステータスとなった。五輪をカラーで見たいがためにテレビを買い替えた人もいたことだろう。

ともなって、インフラ整備も進んだ。初めて五輪競技となった柔道の会場、日本武道館は、五輪が始まる直前の10月3日に開館。観光客の宿泊施設となるホテルも、夏から秋にかけて続々とオープンした。

交通網では、首都高速をはじめとした道路の整備が行われたが、なんといっても国民の一大関心事は、五輪開催の9日前、10月1日に開業した東海道新幹線だ。

着工から5年で開業できたのは、1943年まで工事が進められていた弾丸列車計画の用地が流用できた点が大きい。開業当時、東京~大阪間を「ひかり」は約4時間、「こだま」は約5時間で運行していた。

五輪開催のおよそ1ヵ月前、9月17日には東京モノレール羽田線が開業。国内外から五輪観戦に訪れる人々の足となった。開業当時は途中駅がなく、浜松町と旧羽田駅がダイレクトに結ばれていた。路線全長13.1kmは、当時世界最長。運賃は片道250円だった。ラーメン一杯60円、新聞代が1ヵ月で450円という当時の物価からすると割高感は否めないが、当時の人々は存分に"未来"を感じたことだろう。

■東海道新幹線 開業50周年記念サイト
http://shinkansen50.jp/


■東京モノレール 50周年記念サイト
http://www.tokyo-monorail.co.jp/news/campaign/50th_anniversary/
2020年東京五輪開催までに、交通網もさまざまな変化がみられそうだ。今年6月、JR東日本は、山手線に30番目となる駅を開業すると発表。山手線に新駅が誕生するのは、1971年に西日暮里駅が開業して以来のことだ。

新駅ができるのは、山手線の区間の中では最長で、現在は車両基地がある田町駅と品川駅の間。車両基地が縮小され、新たな駅と街ができることになる。近くには羽田空港や成田空港へのアクセスに便利な都営浅草線の泉岳寺駅がある。

羽田空港へのアクセスでいえば、休止中の貨物線を復活させ、新たなトンネルを掘って都心部と結ぶ新ルート計画もある。もし実現すれば、羽田空港まで東京駅からは18分、新宿駅からでも23分というから驚きだ。

また、東京駅や銀座などの都心部と臨海部を結ぶバス高速輸送システム(BRT)の導入も計画されている。選手村予定地の晴海を経由し、競技会場が集中する予定の有明やお台場へのアクセス手段として活用される予定だ。

一般的にBRTは、専用車線の設置やバスが近づくと信号機が変わるシステムを導入するなど、渋滞の影響を極力受けない仕組みとなるが、どこまで実現できるかは現在のところ未定。ただ、お目当ての競技に間に合わないことを避ける意味でも、BRTの実現は待ち遠しいといえるだろう。
1964年東京五輪の面影が残る場所の中で、秋の散策にぴったりなスポットをいくつか紹介してみよう。

まずは駒沢オリンピック公園総合運動場。東京オリンピックの第二会場として日本人選手が活躍した場所だ。バレーボールでは"東洋の魔女"ことバレーボール女子日本代表が金メダル、体育館ではレスリングが行われ、金メダル5個、銅メダル1個を獲得して"お家芸"の面目躍如となった。サッカーやホッケーもこの地で行われている。

広場にそびえる塔は、オリンピック記念塔。テレビの電波発信や交通の管制、電気や水をコントロールする役割を担っていた。どこか日本建築を彷彿とさせるこの塔は、東京五輪公式ハンドブックの表紙も飾っている。

場内の体育館の地下1階には、東京オリンピックメモリアルギャラリーがある。公式ユニフォームやジャージ、大会公式ポスターや名場面・名選手のフォトをはじめ、種目別の特別企画展が一ヶ月ごとに開催されている。往年の選手の躍動と、当時の日本人の興奮が伝わってくるようだ。

そして、神宮の杜。開会式も行われた国立競技場は、東京五輪のメインスタジアムだ。

その正面を仰ぎ見ると、金メダルを獲得した全選手319名の名前が刻まれたレリーフが掲げられている。サッカーの会場となった秩父宮ラグビー場や、体操競技や水球が行われた東京体育館も隣接している。明治公園の入口には、近代オリンピックの創始者であるクーベルタン男爵と、"柔道の父"と呼ばれ、日本人初のIOC委員となった嘉納治五郎の記念碑が立っている。

原宿・渋谷界隈では、原宿駅を降りて国立屋内総合競技場(国立代々木競技場)へ向かう途中、山手線の線路に架かっている五輪橋(ごりんばし)。地球儀が掲げられ、壁面には五輪にちなんだレリーフが刻まれている。なお、現在代々木公園となっている場所は、5900人を収容する選手村だった。今でも公園内には宿舎の一部が保存・展示されている。

今ではコンサート会場として知られる渋谷公会堂も、最初に使用されたのは東京五輪のウエイトリフティング競技。フェザー級の三宅義信選手が日本人選手の金メダル第1号になった。現在も施設内にメモリアルプレートが設置されている。


■駒沢オリンピック公園総合運動場

http://www.tef.or.jp/kopgp/index.jsp


■国立競技場
http://www.jpnsport.go.jp/kokuritu/


■国立代々木競技場
http://www.jpnsport.go.jp/yoyogi/


次回2014年11月号は、2014年10月29日(水)配信予定です。お楽しみに!
「駅すぱあとアンテナ」2014年10月号
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発行  株式会社ヴァル研究所 http://www.val.co.jp/
発行日 2014年9月24日(水)
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