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駅すぱあとアンテナ(メールマガジン)

2014年6月号








「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」。有名な川端康成の小説「雪国」の冒頭が示すとおり、トンネルを抜けて一変する景色は、否応なしに旅情を掻きたててくれる。今回は季節柄、雪国ではないもの、そんな情景に出会える沿線をご紹介しよう。

まずは、トンネルを抜けると海が一望できるロケーション。海に囲まれた日本ゆえ、各地で見ることができるが、おすすめしたいのは岡山県の岡山駅と、香川県の高松駅を結ぶJR西日本・JR四国の路線、通称「瀬戸大橋線」だ。

本州から四国へ向かう際、児島駅を過ぎてしばらく経つと、列車は鷲羽山トンネルに入る。

瀬戸内海国立公園に属し、倉敷の観光名所となっている鷲羽山を貫くトンネルは、上部2本の道路用、下部2本の鉄道用からなる世界初の四ツ目状トンネルとして1988年に開通した。

このトンネルを抜けると列車は瀬戸大橋に差し掛かり、車窓には瀬戸内海の大パノラマが広がる。トンネルの闇から、輝きを放つ海へのギャップがなんとも痛快だ。急に海面から高い位置に現れるので、海の上空を飛んでいるような気分を味わえること請け合いだ。

一方、トンネルを抜けると海ではなく「日本三大車窓」のひとつが眼前に広がるのは、長野県の篠ノ井駅と塩尻駅間を結ぶJR篠ノ井線だ。

塩尻から篠ノ井方面に向かう際、冠着(かむりき)駅を過ぎると冠着トンネルに入る。全長は2656mで、明治時代に開通した当初は日本一長い鉄道トンネルの座についていたこともある。蒸気機関車の時代には、勾配の続く同トンネルにおいて、機関車のばい煙によって機関士が窒息する危険があるということで送風機が設置された。その遺構は、いまも残存している。

冠着トンネルを抜けると、進行方向右手に注目。盆地として広がる善光寺平と千曲川を望む風景が現れる。次の駅である姨捨駅と、周辺を行き交う列車の車窓から望むこの風景は「日本三大車窓」のひとつに数えられている絶景だ。姨捨駅で停車中の列車から降りて、ゆっくりと壮大な景色を眺めてリフレッシュしてほしい。
線路に覆いかぶさるように茂る木々は、いわば自然のトンネル。今の季節におすすめしたいのが、京都を走る叡山電車の「青もみじのトンネル」だ。

叡山電鉄鞍馬線の市原駅と二ノ瀬駅の間、250mほど連なる通称"もみじのトンネル"は、秋の紅葉シーズンだけでなく、新緑の季節も魅力たっぷり。

ライトグリーンが目に鮮やかな新緑の青もみじと、その隙間から注がれる木漏れ日がなんとも美しい。

6月29日(日)までの土曜・休日には、この区間で徐行運転が行われ、のんびりと青もみじのトンネルを満喫することができる。また、10時7分出町柳駅発・八瀬比叡山口駅ゆきは、900系展望列車「きらら」による「新緑・比叡山きらら」号として運行される予定だ。極楽浄土の世界を表した池泉観賞式庭園が美しい蓮華寺など、新緑に映える八瀬エリアの観光名所巡りに利用してみてはいかがだろう。

新緑とトンネル、さらにこの季節限定の楽しみが車窓に広がるのは、箱根観光の足として利用される箱根登山電車だ。

小田原駅を出発し、箱根湯本駅を過ぎたあたりから緑がいっそう深くなり、電車はゆっくりと登っていく。

2つのトンネルに挟まれ、ひっそりとした雰囲気が魅力的な塔ノ沢駅を過ぎると、トンネルひとつ抜けるたびに深くなる山々が車窓に広がっていく。

さらに6月中旬から7月下旬にかけて、沿線の随所にあじさいが咲き誇る。あじさいの開花も、箱根湯本から強羅まで、400m以上の標高差をゆっくりと進んでいくわけだ。両脇に咲き誇る様子は、まさにあじさいのトンネル。6月21日(土)から7月13日(日)にかけては夜間ライトアップも行われ、昼と夜で2つの顔を楽しめることになる。

■叡山電車
http://eizandensha.co.jp/


■箱根登山電車
http://www.hakone-tozan.co.jp/
暗いトンネルがあるからこそ、そこを抜けた時の風景が輝く。確かにそうなのだが、極端に長いトンネルだったり、短いトンネルが相次ぐと、時として興ざめしてしまうものだ。特に子ども達にとっては退屈かもしれない。

そんなトンネルを、逆転の発想で"楽しみ"に変える工夫を凝らした列車が相次いで登場している。

新潟県の六日町駅と犀潟駅を結ぶ北越急行ほくほく線。この路線を走る列車「ゆめぞら」は、トンネルに入ると車内の天井に映像が映し出される"シアター・トレイン"だ。

コンピューターグラフィックスで作られた映像作品は「花火編」「天空編」「海中編」「星座編」「宇宙編」の5つ。季節や時期ごとに1作品ずつ上映されている。運行日は土・日・祝日をはじめ、ゴールデンウィークや夏休み、冬休み期間。車両によって、天井全面に映像が映し出されるタイプと、ブラックライトによるイルミネーションを背景に、中型の3つの画面に映像が映し出されるタイプがあり、それぞれ趣きが異なる点もおもしろい。なにより、トンネルを出る爽快感と同時に、トンネルに入る楽しみも加わる旅路となるわけだ。

「お座敷列車」「トロッコ列車」「展望列車」の三両編成で、主に会津若松駅と会津田島駅間で運行されている会津鉄道の観光列車「お座トロ展望列車」にも、トンネルを楽しむ仕掛けが施されている。


自然に溢れ、のどかで牧歌的な風景が車窓に広がる一方で、芦ノ牧温泉駅と湯野上温泉駅の間には1kmを超えるトンネルが3本ある。

トロッコ車両に乗っていると、強い風と轟音が響き渡ることになるが、この区間を楽しませることを目的として生まれたのが「トンネルシアター」だ。

列車内の天井にはプロジェクターが設置されていて、左右のトンネル壁面に映像が映し出される仕組み。芦ノ牧温泉駅の名誉猫駅長「ばす」が登場するアニメーションなどは、子ども達にも大人気だ。

いっぷう変わった、トンネルそのものを楽しむ鉄道の旅。ぜひ家族揃って出かけてみよう。

■北越急行
http://www.hokuhoku.co.jp/


■会津鉄道
http://www.aizutetsudo.jp/

【 鉄道 】
JRは、JR時刻表2014年6月号の内容に対応
私鉄および公営は、2014年4月27日現在の時刻表に対応

 
上信電鉄
2014/4/26からの土曜休日 富岡製糸場臨時列車に対応
【 路線バス 】
 
新常磐交通
2014/4/1 運賃改定に対応
アルピコ諏訪バス
2014/4/1 運賃改定に対応
北幡観光自動車
2014/4/1 運賃改定に対応
龍神バス
2014/6/1 運賃改定に対応
その他の改訂情報は駅すぱあとワールドをご覧ください。

次回2014年7月号は、2014年6月25日(水)配信予定です。お楽しみに!
「駅すぱあとアンテナ」2014年6月号
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発行  株式会社ヴァル研究所 http://www.val.co.jp/
発行日 2014年5月28日(水)
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