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駅すぱあとアンテナ(メールマガジン)

2012年12月号








10月1日、5年に渡って行われていた東京駅丸の内駅舎の保存・復元工事が完成。威厳あふれる創業当時の姿がよみがえった。

丸の内駅舎が建てられたのは1914年のこと。赤レンガを駆使したイギリスの古典的な建築に、13世紀のヨーロッパを彷彿とさせるゴシック様式を織り交ぜた建築として生まれた。駅舎の工事には約7年を費やしたという。設計したのは、明治・大正時代を代表する建築家、辰野金吾氏。重厚で丈夫な建築を旨とすることから"辰野堅固"とも呼ばれ、東京駅も辰野らしい建築物として、日本の表玄関の"顔"となった。

しかし、いかに堅固であっても空襲には勝てない。戦時下の東京大空襲により、駅舎の南北にあったドームと屋根、さらに3階部分のほとんどが焼け落ちてしまった。戦後になって修復を試みるも、物資不足で建材がない。そこで従来の3階建てから2階建てとなった。長きにわたって2階建ての東京駅に慣れ親しんできたわけだが、今回の保存・復元によって、焼け落ちた3階部分や南北のドームが復活し、創業当時の姿に戻った。
実際に訪れてみると、その美しさに圧倒される。はじめて実際に目にするドーム屋根は気品に満ち、3階部分ができたことにより窓や建物全体の存在感も増した印象を受けた。構内に入り、南北のドーム屋根を見上げると、方角を示す干支のレリーフなどの装飾が美しく配置されている。まるでヨーロッパの美術館を訪れたかのような気さえするほどだ。

2006年から休館となっていた、駅構内の東京ステーションギャラリーも復活。2013年2月24日(日)まで、復元工事完成記念展「始発電車を待ちながら」を開催中だ。東京駅にちなんだ作品や、鉄道からインスピレーションを受けている作家の作品など、美術ファン以外にも親しみやすい展覧会となっている。

同じく、2006年から休館していた東京ステーションホテルもオープン。丸の内駅舎の2階から4階(一部)に、150もの客室が並ぶ。総じて天井が高く、縦長の窓によって開放感のある空間になっている点が特長だ。

また、ホテル内にはフレンチや寿司、中華料理、ワインバーなどの飲食店も備わっている。たとえ東京在住であっても、一度はここで食事をし、泊まってみたいと思わせてくれるホテルだ。
丸の内駅舎の美しさは、夜になるといっそう際立つ。保存・復元工事の完成と同時に、建築美を存分に伝えるライトアップも始まった。

照明デザインを担当したのは、東京国際フォーラムや六本木ヒルズ、JR京都駅などの照明計画を担当した面出薫(めんで・かおる)氏だ。低層部の赤レンガ壁面は、暖かみのある光を基調としている。周囲のビル群の灯りが白系だけに、暖色に包まれた東京駅の存在感はひとしおだ。

壁面に並ぶ白い花崗岩の柱は、アクセントとして闇に浮かび上がり、駅舎の象徴といえるドーム屋根も、美しさが際立つ照明が施されている。なにより、東京ステーションホテルの窓から漏れる灯りの優しさも、全体にうまくマッチしている。

なお、12月21日(金)から12月28日(金)までの期間中、丸の内界隈では光の祝典「東京ミチテラス2012」が催される。復元された丸の内駅舎をスクリーンに見立て、映像を投映する「プロジェクションマッピング」技術を駆使したショーにより、駅舎がどんな表情をみせるのか今から楽しみだ。ぜひとも駅前広場から鑑賞してみたい。また、行幸通りでは、テッセレーション(モザイク模様)型の走馬灯が幻想的な空間を創り出す。
夜の駅舎を満喫したら、皇居方面に歩みを進めてみてほしい。有楽町と大手町を結ぶ、丸の内仲通り沿いは光の渦。

2013年2月17日(日)まで、約101万球のLEDによる「丸の内イルミネーション2012」が開催されている。街路樹につけられたLEDはシャンパンゴールド色で、丸の内の街によく似合う。

オフィス街として知られる丸の内だが、この冬は絶好のイルミネーションスポットとなり、カップルや家族連れで賑わいそうだ。「いつも東京駅は乗り換えるだけ」という人も、ぜひ下車して美しさに触れてほしい。

駅構内のショップ、いわゆる"駅ナカ"の充実ぶりも見逃せない。既存の「サウスコート」「ノースコート」、「京葉ストリート」などに加え、丸の内駅舎の完成に合わせて中央通路に「セントラルストリート」がオープンした。

「セントラルストリート」には、さまざまなショップが点在している。全国各地の有名駅弁や期間限定駅弁がずらりと並んでいるのは「駅弁屋 祭」。店内のライブキッチンで作る、できたての温かい駅弁も魅力的だ。「Sweets Bouquet 銘菓紀行」は、話題のスイーツや伝統的な和菓子などを取り揃えたショップ。慌ただしい旅の途中でも、速やかに質の高いお土産を入手できるところが便利だ。一方、「Select Market 東京百貨」は、お土産や弁当だけでなく、飲み物やワインなど幅広い品揃えが特長のセレクトショップ。薬やコスメなど、旅行に便利なアイテムも揃っている。
同ストリートだけでなく、現在の東京駅の各ショップで目につくのは、やはり丸の内駅舎のグランドオープンを記念した銘菓やグッズの数々だ。

「TOKYO ターミナルクッキー(ヨックモック)」は、かわいい電車のかたちをした、小麦香るクッキー。東京駅限定発売で、パッケージには丸の内駅舎のイラストが描かれている。小さな子どものいる家庭へのお土産として最適だ。
「ラミーア東京ショコラ Limited Edition(SEJ)」は、生チョコケーキを焼き、熱いうちにチョコレート・クルミソースを染み込ませたフォンダンショコラ。しっとりとした口触りと、甘さと苦さが程よく調和した、濃厚なカカオの風味。なんとも贅沢な気分になれるスイーツだ。深みのあるチョコレート色と四角い形は、丸の内駅舎のレンガがモチーフになっている。

その他、和菓子・洋菓子問わず、弁当や手ぬぐいに至るまで、丸の内駅舎をモチーフにした商品が現在は目白押し。もはや立派なキャラクターといえるだろう。年末年始の帰省時には、ぜひお土産として活用してはいかがだろう。



次回2013年1月号は、2012年12月26日(水)配信予定です。お楽しみに!
「駅すぱあとアンテナ」2012年12月号
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発行  株式会社ヴァル研究所 http://www.val.co.jp/
発行日 2012年11月28日(水)
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