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駅すぱあとアンテナ(メールマガジン)

2012年3月号








昨年、九州新幹線が全線開業し、個性あふれる魅力的な観光列車も多いとあって注目を集めるようになった九州の鉄道の旅。今回紹介する"新顔"は、昨年10月に運行が始まった観光特急「A列車で行こう」だ。

同特急は、熊本~三角(みすみ)間を運行している。三角は、天草(あまくさ)観光の玄関口。熊本県の南西部に位置する島々の総称だ。熊本の観光といえば、熊本城のある熊本市か、内陸部の阿蘇へ出かけるツーリストが多い。海側である天草も大いに観光地として魅力的なのだが、あまり知名度がないのも事実だ。そこで観光特急「A列車で行こう」が、天草の旅の入口を演出するべく、登場したといっていいだろう。
「A」とは、天草(あまくさ)の頭文字でもあり、「大人」を意味する「アダルト」の頭文字でもある。熊本から天草へ向かう観光ルートが充実すると同時に、大人向けの仕様が車両内の随所にみられることから、往年のジャズナンバーの曲名を冠して特急の名称が決まったという。

車両デザインを担当したのは、工業デザイナーの水戸岡鋭治氏。九州新幹線「つばめ」をはじめ、和歌山電鐵の「たま電車」や富士急行の「富士登山電車」など、これまで多くの車両デザインを手掛けてきた第一人者だ。
今回のデザインテーマは「16世紀の天草に伝わった南蛮文化」。黒に金をあしらった外観は、エキゾチックな品格に溢れている。

内装は、落ち着いた色調の木材が壁や床に用いられ、ところどころにステンドグラスも。1号車の共有スペースには「A-TRAIN BAR」と名付けられたバー・スペースがあり、車窓を流れる風景を楽しみながら、お酒を傾けることができる。

運行日は、土日と祝日。熊本~三角間を1日2往復する。さらに春休みやゴールデンウィーク、夏休みは毎日運行とのことだ。

■特急「A列車で行こう」
http://www.jrkyushu.co.jp/gokujou/amakusa_kumamoto/train.html
三角駅を降りたら、次は海の旅。宇城市三角港と天草市本渡港を結ぶ定期航路「天草宝島ライン」があり、「A列車で行こう」の運行日には、接続運行が実施されている。島々を結ぶ「天草五橋」をはじめ、道中の見どころも豊富だ。穏やかな多島海、その向こうにそびえるのは島原半島の雲仙普賢岳。天草島原の乱にゆかりのある"談合島"こと湯島。さらに、運が良ければ野生のイルカと出逢うこともある。

本渡港に着いたら、国指定重要文化財となっている祇園橋や天草キリシタン館を訪れつつ、曹洞宗の禅寺である明徳寺にも足を伸ばしてみたい。異人のように深い彫りの"異人地蔵"があるのも、この地ならではのこと。

また、西海岸に広がる国指定名勝・天然記念物の妙見浦の風景も、胸のすくような美しさ。西海岸を走る国道は"サンセットライン"と呼ばれるだけあって、夕日の美しさも感動を呼ぶ。大江天主堂や崎津天主堂といった教会建築も、この地が受けた南蛮文化の影響を色濃く感じ取ることができる。

■熊本県天草観光ガイド「島旅」
http://www.t-island.jp/
地元では"地鉄(ちてつ)"の愛称で親しまれている富山地方鉄道にも、昨年12月、新たな観光列車がデビューを果たした。その名も「アルプスエキスプレス」。"地鉄"は生活路線としての側面もあるが、北アルプス観光の玄関口へ向かう観光路線としての顔も持っている。アルプスエキスプレスは、これから壮大な自然を満喫しようとするツーリスト達の期待感を高めてくれる列車といえるだろう。

なんとも興味深いのが、その"どこかでみたような"外観だ。実はこの車両は、かつて特急「レッドアロー」として活躍した元西武鉄道の車両を譲り受けたもの。西武鉄道時代の面影を残しつつ、アルプスエキスプレスのヘッドマークが掲げられている。

ただ、単に車両を譲り受けてヘッドマークを掲げただけではない。内装はガラリと一変している。デザインを担当したのは、前述の「A列車で行こう」と同様に、工業デザイナーの水戸岡鋭治氏だ。

車両内は、温もりのある木製素材がふんだんに使われている。とりわけ楽しさ満載なのは中間車となる2号車だ。車窓の風景を存分に楽しめる外向きテーブル付シートをはじめ、子供用ハイデッキシートや4人掛のテーブル付コンパートメントシートなど、家族連れから一人旅まで、自分の旅のスタイルに合った座席を楽しむことが可能。カウンターや窓枠、日よけ、床など、至るところに木材が使われていて、居心地のよい旅ができるようになっている。全国的に食堂やビュッフェが消え行く中、あえて軽食・飲食販売のコーナーを設けている点も見逃せない。

運行スケジュールは、基本的に土日と祝日のみ。平日は1号車と3号車の2両編成で利用されているが、やはり2号車あっての観光列車といえるだろう。運行ルートは、電鉄富山を起点に立山行き、岩峅寺行き、宇奈月温泉行き、上市行きの4つがある。

■アルプスエキスプレス
http://chitetsu.webhosting-jp.com/alps/
まずは富山随一の温泉郷、宇奈月温泉。黒部の自然をテーマにしたセレネ美術館をはじめ、黒部川電気記念館(リニューアル工事につき3月下旬まで休館中)、駅前から宇奈月ダムまでを結ぶ遊歩道など、観光スポットも豊富だ。

同温泉の泉質は、日本有数の透明度を誇る"美肌の湯"。街中にも無料で楽しめる足湯が2つ。さらに温泉街から車で約10分のところには、宇奈月湖畔の湯「とちの湯」があり、露天風呂からは湖、緑豊かな山々、さらにトロッコ列車が峡谷を走る姿も眺めることができる。宇奈月温泉は黒部峡谷鉄道の起点となる地。美しいフォルムの新山彦橋を渡るトロッコ列車、その姿を眺めるには絶好の「やまびこ展望台」など、鉄道ファンの心も満たしてくれるだろう。今シーズンの黒部峡谷鉄道は、4月18日より一部区間運行がスタートする。

そして、もう一つのおすすめが電鉄富山から立山方面に向かうルート。立山といえば、いわずと知れた立山黒部アルペンルートの玄関口に位置する。ここからケーブルカーや高原バス、トロリーバス、ロープウェイなどを乗り継いで、黒部ダムへ。乗り物好きなら、一度は辿ってみたいルートだ。さらに黒部ダムからバスを乗り継ぎ、立山黒部アルペンルートの長野県側の玄関口である信濃大町に向かうことも可能だ。

■黒部峡谷 宇奈月温泉
http://www.unazuki-onsen.com/

■立山黒部アルペンルート
http://www.alpen-route.com/



次回2012年4月号は、2012年3月28日(水)配信予定です。お楽しみに!
「駅すぱあとアンテナ」2012年3月号
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発行日 2012年2月29日(水)
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