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昨年、九州新幹線が全線開業し、個性あふれる魅力的な観光列車も多いとあって注目を集めるようになった九州の鉄道の旅。今回紹介する"新顔"は、昨年10月に運行が始まった観光特急「A列車で行こう」だ。
同特急は、熊本~三角(みすみ)間を運行している。三角は、天草(あまくさ)観光の玄関口。熊本県の南西部に位置する島々の総称だ。熊本の観光といえば、熊本城のある熊本市か、内陸部の阿蘇へ出かけるツーリストが多い。海側である天草も大いに観光地として魅力的なのだが、あまり知名度がないのも事実だ。そこで観光特急「A列車で行こう」が、天草の旅の入口を演出するべく、登場したといっていいだろう。
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「A」とは、天草(あまくさ)の頭文字でもあり、「大人」を意味する「アダルト」の頭文字でもある。熊本から天草へ向かう観光ルートが充実すると同時に、大人向けの仕様が車両内の随所にみられることから、往年のジャズナンバーの曲名を冠して特急の名称が決まったという。
車両デザインを担当したのは、工業デザイナーの水戸岡鋭治氏。九州新幹線「つばめ」をはじめ、和歌山電鐵の「たま電車」や富士急行の「富士登山電車」など、これまで多くの車両デザインを手掛けてきた第一人者だ。 |
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今回のデザインテーマは「16世紀の天草に伝わった南蛮文化」。黒に金をあしらった外観は、エキゾチックな品格に溢れている。
内装は、落ち着いた色調の木材が壁や床に用いられ、ところどころにステンドグラスも。1号車の共有スペースには「A-TRAIN BAR」と名付けられたバー・スペースがあり、車窓を流れる風景を楽しみながら、お酒を傾けることができる。
運行日は、土日と祝日。熊本~三角間を1日2往復する。さらに春休みやゴールデンウィーク、夏休みは毎日運行とのことだ。
■特急「A列車で行こう」
http://www.jrkyushu.co.jp/gokujou/amakusa_kumamoto/train.html |