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関東圏において、いち早く春が訪れる地といえば伊豆半島だ。しかし、まだまだ寒い日は続いている。寒さを感じるのは何も人間だけではない。そこでご紹介したい風物詩が、伊豆シャボテン公園のカピバラだ。
伊豆半島の東側、静岡県伊東市に広がる同公園は、サボテンや多肉植物を集めた5つの温室がある。その数は約1,500種類。今の時期でも熱帯気分を満喫できるようになっている。
それにもまして注目を集めているのが、同公園の動物たち。チンパンジー達の遊び場「チンパンジアム」や、珍しい鳥達が棲む「バードパラダイス」、リスザル達が暮らす「リスザルの森」などのエリアに分かれているが、とりわけ大人気なのはカピバラだ。
露天風呂に肩まで浸かり、じっとして温まっている姿はこれまでもテレビや雑誌などで度々紹介されている。現在は他の動物園でも行われているが、"元祖"はここ、伊豆シャボテン公園だ。
肌が乾燥しやすいカピバラは、他の季節は池に入って体を潤すが、冬場は寒さを嫌ってか、なかなか入ろうとしない。そこで温かいお風呂にしたところ、思いのほかカピバラたちも満足げな表情で入浴を楽しむようになったとのことだ。
カピバラの露天風呂は、3月31日(土)まで。雨天は中止となるが、毎日実施されている。入浴タイムは午前10時30分から約1時間。基本的には、カピバラが満足するまで入浴させているとのことだ。見ているこちらまで温かい気分になれる伊豆の風物詩、ぜひ一度ご覧いただきたい。
そして2月に入ると、伊豆半島はいっそう春の気配を帯びてくる。その象徴といえるのが、河津町で行われる「河津桜まつり」だ。全国でも屈指の"早咲き"を誇る河津桜が、町の至るところで開花する。
今年の開催期間は、2月5日(日)から3月10日(土)まで。河津桜の原木や夜桜のライトアップが行われるエリアなど、いずれも河津駅から歩いていける距離にある。圧巻なのは、河津川沿いの土手に並ぶ河津桜。
時期によっては菜の花も同時に咲き、どこか懐かしい故郷の春といった風情があたり一面に広がる。川沿いには3か所の足湯処があるのも嬉しいところ。足を湯に浸しながら、美しい風景を楽しむことができる。
■伊豆シャボテン公園
http://www.shaboten.co.jp/
■第22回河津桜まつり
http://www.kawazu-onsen.com/sakura/sakura.htm
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埼玉県北部を東西に横断する秩父鉄道、その沿線には"まだ冬"と思わせる風物詩と、"もう春"と感じさせる風物詩とが混在している。まさに早春ならではのプチ旅行が楽しめるというわけだ。
冬めいた風物詩は、奥秩父の名勝「三十槌の氷柱(みそつちのつらら)」。
秩父鉄道の三峰口駅を下車し、西武観光バス三峰口線バス停「宮平」から徒歩20分ほど歩くと、見たこともないような不思議な風景が目の前に現れる。川沿いの崖から染み出た湧水が凍結し、無数の氷柱が川岸まで垂れ下がるその姿は、まるで巨大な霜柱といった風情だ。
なお、2月12日(日)までの期間は夜間のライトアップも実施され、いっそう幻想的な雰囲気が漂う。
ライトアップは平日が20時まで、土曜・休日が21時まで。バスの時間を事前にチェックしてから出かけよう。もちろん、防寒対策は必須だ。
次に紹介するのは、春を感じさせてくれる風物詩。長瀞町にある標高497mの宝登山にロープウェイで上ると、2,500本あまりの「ロウバイ」が山頂一面に咲き誇っている。
ロウバイは中国中部原産の落葉低木。冬に咲く花として知られているが、黄色く可憐な花から連想される季節は、まさに春。山頂からの美しい眺望にロウバイの花が加わり、なんとも幸せな気分にさせてくれる。
ロウバイの開花時期は、例年1月上旬から2月中旬にかけて。ちなみに宝登山の山頂にはロウバイ園の他に、"関東一、品種の多い梅園"といわれる「梅百花園」も広がっている。こちらは例年2月中旬から3月下旬にかけてが開花時期となっている。
なお、ロウバイの見頃に合わせ、秩父鉄道では2月29日(水)まで急行列車(2編成)と普通列車(1編成)に「ロウバイ号」の特別ヘッドマークがつけられる。また、2月29日(水)までは、秩父鉄道全駅で「秩父路遊々フリーきっぷ」を発売。
土曜、日曜、祝日に秩父全線を一日何度でも自由に乗り降りできるお得なきっぷだ。ぜひ上手に利用して、早春の風物詩巡りに役立てよう。
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3月3日の桃の節句に先駆け、ひと足早く雛祭りがスタートする地域も多い。佐賀県佐賀市を舞台に行われる「佐賀城下ひなまつり」もそのひとつ。"まちなか全部がひなまつり"というテーマどおり、至るところで雛飾りなどが楽しめるようになっている。徒歩で巡れば、さしずめ"雛祭りウォーキング"といったところだろう。
かつて佐賀藩を統括していた鍋島家ゆかりの道具類や古文書などを多数収蔵している徴古館(ちょうこかん)。ここでは、鍋島家の歴代夫人が保有していた雛人形や雛道具の大雛壇飾りが登場する。
公家の雅びな装束を正確に再現した有職雛 (ゆうそくびな)や、丸い顔が可愛らしい次郎左衛門雛(じろうざえもんびな)など、珍しい雛人形も多数お目見え。さらに天皇・皇后両陛下から、初節句などの際に皇族の子女が賜った「御台人形(おだいにんぎょう)」も一見の価値がある。
武家屋敷の風情を今に残す旧古賀家で披露されるのは、鍋島小紋の雛飾り。鍋島小紋とは、佐賀藩鍋島家が裃に使用していた紋様のことで、愛らしさの中に気品が漂う衣装をまとった雛飾りに仕上がっている。また、大正時代の洋風建築が施され、室内も大正ロマンなムード一色となっている旧古賀銀行では、伝統的な古今雛の他に現代人形劇センター所蔵のからくり人形が特別展示される。他にも旧福田家や旧三省銀行、旧牛島家など、歴史的な名所で個性豊かな雛飾りを公開。レトロな雰囲気がただよう中でみる多彩な雛飾りは、節句を迎える女の子のみならず、老若男女が楽しめること請け合いだ。
「佐賀城下ひなまつり」の開催期間は、徴古館が2月18日(土)から3月31日(土)まで。旧古賀家など、佐賀市歴史民俗館エリアは2月18日(土)から3月20日(祝)までの開催となる。華やかな春を感じたい方は、ぜひ足を運んでみてはいかがだろう。
■佐賀城下ひなまつり
http://hina.sagabai.com/
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