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駅すぱあとアンテナ(メールマガジン)

2011年12月号







房総半島の太平洋岸は首都圏からもアクセスしやすく、本州においていち早く初日の出が拝めるとあって、例年多くの人が元日に足を運んでいる。車で出かける人もいるが、渋滞に巻き込まれて、目的地に着かないうちに夜が明けるといったこともよくある話。その点、時間が読みやすい電車利用がおすすめだ。

まずは、関東最東端の犬吠埼。季節により地軸の傾きが変わるため、元日前後に限っては日本最東端の納沙布岬よりも早く初日の出がみられる。山頂や離島を除けば日本一の早さで、日の出時刻は午前6時45分頃だ。

JR東日本では、特急「犬吠初日の出号」を運行。元日に、1時33分高尾駅発・4時19分銚子駅着の「犬吠初日の出1号」、3時16分千葉駅発・4時37分銚子駅着の「犬吠初日の出3号」、2時42分新宿駅発・5時4分銚子駅着の「犬吠初日の出5号」の3本が運行される。銚子駅からは、初日の出ダイヤで運行している銚子電鉄で君ケ浜駅へ。太平洋に面した君ケ浜しおさい公園が、屈指の初日の出ビュースポットだ。打ち寄せる波、さらに犬吠埼の突端にそびえる犬吠埼灯台。灯台の真っ白い姿が、だんだんと茜色に染められていく様子も美しい。

また、銚子電鉄犬吠駅から徒歩15分のところにある「地球の丸く見える丘展望館」も、隠れたビュースポットだ。台地の高所である愛宕山の頂上に位置している同館では、北は鹿島灘から筑波山、東と南は太平洋、西は屏風ケ浦から九十九里浜まで見渡すことが可能。広範囲に見渡せるため、水平線が緩やかに弧を描いている姿がわかり、地球が丸いことを実感できるというわけだ。地球のスケールの大きさを感じながらの初日の出は、いつまでも記憶に残ることだろう。

同じくJR東日本の「外房初日の出号」は、元日の2時11分高尾駅発・5時22分千倉駅着の「外房初日の出1号」、3時16分新宿駅発・6時3分千倉駅着の「外房初日の出3号」の2本が運行される。日の出時刻は午前6時45分頃。千倉駅から徒歩約15分の距離にある瀬戸浜海水浴場か、徒歩約30分の距離にある南千倉海水浴場がビュースポットだ。もしくは、千倉駅まで行かずに太海(ふとみ)駅で下車し、徒歩約7分の距離にある太海海岸もおすすめ。波が砕け散る岩礁や、源頼朝や日蓮聖人の伝説で知られる仁右衛門島などがあり、起伏に富んだ海岸で見る初日の出もまた一興だ。

ご紹介したJR東日本の特急は、「外房初日の出3号」が一部指定席で、その他の特急は全車指定席となっている。主な駅の指定席券売機、みどりの窓口及びびゅうプラザにて、12月1日の午前10時より発売スタートとなる。今のうちから予定を組んで、きっぷを押さえておこう。

■犬吠埼
http://www.city.choshi.chiba.jp/kanko/guide/inubou/inubou.html

■南千倉海水浴場・瀬戸浜海水浴場
http://www.mboso-etoko.jp/chikura/spot/umi.html
大海原や美しい名城など、舞台によって様々な表情を見せる初日の出。あとは、当日に晴れることを祈るばかり。ぜひとも押さえておきたい初日の出の名所をご紹介!
鎌倉を走る江ノ島電鉄は、例年大晦日から元旦にかけて終夜運転が行われている。沿線には寺や神社が多く、さらに海が程近いことから、初詣に出かけた後に初日の出を眺めるといったことも可能。そのため、例年多くの人が足を運んでいる。

鎌倉の場合は、海からではなく三浦半島越しに太陽が昇る。その分、東京や横浜よりもやや初日の出の時刻が若干遅めとなり、午前6時50分~7時頃となる。なだらかな半島には視線を遮るようなものはほとんど無いため、ロケーションとしても悪くない。日の出が近づくにつれて半島は逆光で黒い帯となり、その前に広がる海が薄明かりに包まれる。由比ヶ浜や七里ヶ浜、稲村ヶ崎など、ビュースポットも多いため、比較的ゆったりと初日の出を満喫することができるだろう。また、鎌倉高校前駅は目の前がすぐ海。視界が開けているため、ホームにいながらにして初日の出を拝むことも可能だ。

また、「江の島シーキャンドル(江の島展望灯台)」から初日の出を見る企画も毎年実施されている。朝もやに煙る相模湾を眼下に見ながらの初日の出は、さぞ気持ちがいいことだろう。興味ある方は招待者募集のページを確認して、ハガキやインターネットで応募してみよう。
JR東日本の「伊東初日の出号」は、新宿駅を元日の午前5時に出発し、午前7時58分に伊東駅に到着する。伊東に着く頃にはすっかり夜が明けているのだが、この列車は、途中で美しい初日の出を眺めるという趣旨のもとに運行されている。舞台となるのは根府川(ねぶがわ)だ。

根府川駅といえば、鉄道ファンの間でもよく知られる"オーシャンビュー"の駅。東海道本線の小田原駅を過ぎ、隣りの早川駅を過ぎたあたりから、路線は相模湾に接近。いくつかトンネルを越えると視界がパッと開け、大海原と美しい水平線が続き、根府川駅にたどり着く。

「伊東初日の出号」に乗車すると、まずはだんだんと明るさを帯びてくる空に期待感を煽られることだろう。水平線がオレンジに染まり、日の出が目前に迫る頃合いに根府川に到着。絶好のロケーションであるこの地に停車し、車窓から初日の出を拝めるというわけだ。

使用される車両は、485系お座敷電車「華」。6両編成で、全車グリーン車指定席となる。ゆったりとしたお座敷でくつろいで、新しい年の幕開けを迎えるのも楽しそうだ。
関西圏で海から昇る初日の出を拝むとするなら、和歌山県串本町を推したい。JR紀勢本線串本駅から古座方面へ徒歩20分ほど歩くと、海に突き出た大小40余りの岩柱が見えてくる。その柱が、あたかも橋の杭だけが残っているように見えることから、ついた名前が「橋杭岩(はしくいいわ)」。伝説によると、弘法大師が天の邪鬼に手伝わせながら、向かいの大島に渡る橋を夜を徹して作っていたところ、くたびれた天の邪鬼が鶏の鳴きまねを一声。大師は夜が明けたと思って中止し、橋の杭だけが残ったのだとか。この奇岩群は吉野熊野国立公園内に属し、国の天然記念物にも指定されている。

太陽は、この奇岩の後ろ側から昇ってくる。元日の初日の出時刻は7時5分頃。夜が白んでくるにつれて奇岩群が影絵のようになり、弘法大師の伝説を彷彿とさせてくれる。朝焼けになれば、さらに幻想的だ。

ちなみに本州最南端の石碑があり、初日の出の拝所としても名高い潮岬(しおのみさき)も、同じ串本町に位置している。大晦日に電車で和歌山に入り、温泉に浸かって一年の疲れを癒してから訪れるのがおすすめだ。


■橋杭岩
http://www.town.kushimoto.wakayama.jp/kanko/index.html
今年3月に九州新幹線が全線開通したこともあり、例年にも増して観光地として注目が集まった熊本。熊本が誇る自然の象徴が阿蘇山なら、文化の象徴は熊本城だろう。加藤清正公が築いたこの城は、"武者返し"に代表される堅牢さと、白壁の長塀などの美しさを兼ね備えている。日本三名城に数えられているが、異論を唱える人はいないだろう。

そんな熊本城では、例年元日に迎春行事が催される。この日だけ、午前6時に頬当御門が開門(他の門は午前8時30分開門)。宇土櫓前広場にて「かわらけ」と呼ばれる素焼きの盃が、西暦にちなんで先着2012枚配布される。また、新春祝獅子舞や天守閣登閣、新春太鼓などの催しも行われ、否応なしに正月気分が盛り上がる。ちなみに、元日に限り熊本城内および及び旧細川刑部邸の入園は無料だ。

日の出時刻は午前7時20分頃。海や山から昇るようなダイナミックさはなかなか味わえないものの、やはり"和"の雰囲気が漂う中での夜明けは格別なものがある。朝日を浴びた城の姿は、とりわけ美しい。

■熊本城
http://www.manyou-kumamoto.jp/castle/
次回2012年1月号は、2011年12月28日(水)配信予定です。お楽しみに!
「駅すぱあとアンテナ」2011年12月号
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発行  株式会社ヴァル研究所 http://www.val.co.jp/
発行日 2011年11月30日(水)
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