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せっかくの秋だからこそ、ウォーキングやサイクリングも“秋らしい”ところを歩きたい。そう思うのはごく自然なことだろう。色づく紅葉を眺めつつ、深まる秋の静寂を感じたい…そんな方に真っ先におすすめしたいのが、北海道・美瑛(びえい)町だ。
美瑛町は、北海道のほぼ中央に位置する“丘のまち”。なだらかな丘が延々と続く風景は、北海道らしさの象徴といえるだろう。緑が色鮮やかな季節にも多くの観光客が足を運ぶが、晩秋の風景も捨てがたい。
美瑛駅の西側に広がるのは「パッチワークの路」エリア。昭和47年、日産自動車のCMに採用されて以来、「ケンとメリーの木」と呼ばれるポプラの木や、昭和51年に観光たばこ「セブンスター」のパッケージに掲載されたことから名づいた柏の木「セブンスターの木」、3本の柏の木が高台に寄りそうように立っている「親子の木」など、畑や丘が続く平原にポツンと立っている名木の数々は、美瑛の名物スポットだ。
美瑛駅の周辺には、複数のレンタサイクル店が軒を連ねている。ウォーキングを楽しむなら、駅から徒歩35分の距離にある「ケンとメリーの木」や、なだらかな丘や十勝岳連峰をぐるりと一望できる展望スポット「北西の丘展望公園」などを巡るのがおすすめ。また、駅から徒歩60分の距離にある「マイルドセブンの丘」は、防風林に夕日が沈む景観がとても美しく、写真愛好家にはたまらないスポットだ。
今年の紅葉は若干遅めで、ポプラや柏など落葉樹は、今まさに“見頃の終盤”といったところ。これからの季節は針葉樹の紅葉が始まり、例年11月上旬になると、群生するカラマツが黄色く染まる。夕日に染められて金色に輝く姿の美しさは、まさに絶景。手前には小麦畑の緑、はるか遠方には雪化粧を始めた山々が見渡せる。
また、美瑛駅の東に広がる「パノラマロード」エリアも、地上32.4mの展望台から十勝岳連峰に広がる丘の町を見渡せる「四季の塔(美瑛町役場)」や、丘めぐりにレンタサイクルや徒歩で散策できる展望公園「三愛の丘展望公園」など、名所に事欠かない。
本格的な冬支度を迎える前の晩秋の美瑛。ぜひともウォーキングやサイクリングを満喫して、大自然に触れてみてはいかがだろう。
■社団法人美瑛町観光協会(観光スポット)
http://www.biei-hokkaido.jp/kankouspot/index.html
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厳密には“駅から”とは言えないが、かつて駅があり、鉄道が走っていた廃線を活用した興味深いレクリエーションをご紹介したい。旧鉄道路線のレール上を専用のマウンテンバイクで駆け抜ける「レールマウンテンバイク」だ。
2006年、岐阜県飛騨市を走っていた旧神岡鉄道神岡線が廃止となった。残ったレールを活かして誕生したのが、レールマウンテンバイク「Gattan
Go!!」。いくらマウンテンバイクに精通した人でも、凹凸の激しい線路上を走るのは難儀だろう。そこで開発したのが、ガイドローラー付きメタルフレーム。このフレームに2台のマウンテンバイクがしっかりと固定され、後輪タイヤは直接レールの上に接地するようになっている。これにより、レール上から外れることなく、通常の自転車と同様にペダルを漕ぐだけで安全に走行できるというわけだ。
しかしながら、線路を走る臨場感は伝わってくる。レールの継ぎ目による振動と音を「ガッタン、ゴットン」と感じながらのサイクリングが味わえるのは、おそらくここだけだろう。
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ニーズに合わせた数々のマシンがある点も用意周到だ。ある程度、体力に自信がある人はノーマル車。体力に自信がない人は、電動アシスト機能のついたハイブリッド車。小さな子どもや年配の方、3人グループの人に嬉しい観覧シート付きタイプや、4~5人グループに最適なベンチシートタイプ(ハイブリッド車で牽引)もある。
走行区間は、旧神岡線の奥飛騨温泉口駅と神岡鉱山前駅の間。往復で約5.8kmの道のりだ。実質の走行時間は30~40分程度。その他、乗車前説明やサドル調整などを合わせたイベント自体の総所要時間は約1時間半といったところだ。
空席がある場合に限り、事前予約がなくても乗車可能だが、乗車目的で旅をする場合は事前に電話で予約しておきたい。ちなみに、今シーズンの開催は11月20日(日)まで。紅葉シーズンということもあって予約状況は残りわずかとなっているので、早めに申し込んでおこう。
■レールマウンテンバイク「Gattan Go!!」
http://rail-mtb.com/ |
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首都圏からアクセスしやすい紅葉ウォーキングスポットもご紹介しておこう。まずは横浜市中区にある「横浜 三溪園」だ。
同園へのアクセスは、JR根岸駅やJR桜木町駅などからバスが出ているが、ウォーキングを楽しむのならJR山手駅から閑静な住宅街を練り歩くコースがおすすめ。少々アップダウンもあるが、およそ30~40分程度で三溪園にたどり着く。ウォーキングすることをメインに考えれば、適切な距離といえそうだ。行きは歩いて、園内はゆっくりと散策し、帰りはバスを使うなど、体力に応じて移動手段とルートを選ぶとよいだろう。
同園には、京都や鎌倉などから移築された、価値の高い歴史的建造物が広大な庭園内に配置されている。梅に桜、菖蒲に蛍、初秋には観月と、季節の催事も随時行っていて、一年を通じて風流な楽しみ方ができる庭園だ。紅葉のシーズンは、例年11月中旬から12月中旬にかけて。モミジやカエデ、イチョウ、ドウダンツツジなどが古い建築に映え、横浜にいながらにして京都散策をしているような気分に浸ることができる。なお、11月26日(土)から12月11日(日)にかけては、重要文化財である春草廬や旧東慶寺など、紅葉の映える古建築が一般公開される。
都内であれば、千代田区の「北の丸公園」を推したい。ウォーキングやジョギングのメッカとして知られるようになった皇居の北、かつて江戸城の北の丸があった地に造られた公園だ。最寄駅は東京メトロ九段下駅だが、あえて竹橋駅や飯田橋駅からウォーキングを楽しむのもいいだろう。
どちらかといえば春の桜が有名な同公園だが、秋の紅葉も負けてはいない。むしろ穴場といえるだろう。紅葉の盛りは、例年11月下旬から12月上旬にかけて。園内には約2,000本の落葉樹があり、武道館前の大イチョウなども見事だが、特筆すべきは園内西側に広がるモミジ園だ。シーズンになると真っ赤に染まるモミジ林の小路をそぞろ歩くと、ここが都会の真ん中であることを忘れてしまうほど。モミジの回廊といった雰囲気が漂う。園内を一周すると、およそ30~40分といったところ。国立近代美術館も隣接しているので、スポーツの秋だけでなく、芸術の秋も満喫することができる。
秋の風情を味わいながら、ウォーキングやサイクリングを存分に楽しもう。
■横浜 三溪園
http://www.sankeien.or.jp/
■北の丸公園(千代田区観光協会)
http://www.kanko-chiyoda.jp/tabid/1121/Default.aspx |
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