関越、上信越、北関東といった各自動車道が交差する群馬の玄関口、藤岡。緑と清流が育むこの地も、秋になると紅葉に染まる。ただ、紅葉と同時に咲き誇る「桜」を愛でることができるのは、藤岡ならではといえるだろう。
JR八高線の群馬藤岡駅から日本中央バスでおよそ35分。鬼石地区の桜山森林公園にたどり着く。桜山公園は、大きな池と清流を有する本格的な日本庭園、庭石として重宝される藤岡の特産「三波石(さんばせき)」を配し、茶室なども備わった見本庭園、さらに芝生広場があり、大人から子供までが憩える大型公園だ。
その公園の全体を覆っている樹木が、約7,000本の「冬桜」。名高い郷土かるた「上毛かるた」にも「三波石と共に名高い冬桜」と謳われている。国の天然記念物にも指定されている冬桜は、春と晩秋の年2回、花開く。とりわけ11月から12月にかけては周囲の紅葉の中に浮かぶ白い霞のように咲き誇り、観る者に風変わりな趣を与えてくれる。 |