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関東のJR、私鉄、バスを一枚で乗り降りできるICカード。今回の散歩は「Suica」を使って、まずは京成本線堀切菖蒲園駅に降り立った。駅前には菖蒲園への徒歩ルートを示した看板がある。歩くこと10分、のどかな商店街を進み、荒川の土手が見えたところで左に曲がると堀切菖蒲園に着いた。
ここ堀切は江戸時代から花菖蒲の名所として知られ、安藤広重や歌川豊国が浮世絵に描き遺した地。旧堀切園の一部が、現在の堀切菖蒲園となっている。さほど大きくはなく、こじんまりとしたところもまた風情を感じさせる。園内には200種6,000株の花々が植えられており、「酔美人」や「十二単衣」などの希少品種もみられる。今年の花菖蒲のピークは6月10日前後とのこと。今回訪れたのは4月末ゆえ園内はまだ閑散としていたものの、一部のあやめや藤の花、大振りの牡丹が見事な花をつけていた。一日のうち、花の見頃は午前中。散歩のスタートとしては上々だ。朝つゆの潤いが花にそのまま含まれ、濃い紫色が引き立っている。
6月1日からは「堀切かつしか菖蒲まつり」が始まり、園内はもとより、街ぐるみの賑やかなお祭りとなる。開会式が行われる6月3日には園内で野立てや琴、雅楽の演奏も行われるとのこと。梅雨に映え、江戸から脈々と続く「粋な花」見物をぜひ楽しんでみてはいかがだろう。
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