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駅すぱあとアンテナ(メールマガジン)

2007年1月号






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「駅すぱあとアンテナ」は『駅すぱあと』ユーザーである皆さまと、(株)ヴァル研究所が一緒に創りあげていくコミュニケーションツール、そして皆さまのお役に立てる情報を発信していくメールマガジンとしてお届けしてまいります。なお、このメールマガジンは配信をご希望の方にお送りしています。
「駅すぱあとアンテナ」編集部
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時間を忘れて出かけよう「レトロ駅舎を巡る旅」
現存しているレトロな駅舎にはそれなりのエピソードや歴史があり、街がどんなに変わろうともその空間だけは時代を物語っている。同時代に生きていなくても、人は共通の郷愁を感じ、時に癒される。それが小説の中に出てくる場所であれば、いっそう深みが増すはずだ。

かの有名な夏目漱石の『坊っちゃん』に出てくる三津駅は、成長した坊っちゃんが松山の中学校に赴任する際に利用した駅で有名である。執筆当時に存在していた駅舎ではないが、昭和初期に立てられたとされる三角屋根にアールヌーボー調の曲線が活かされた建築は、当時からしてみればかなりハイカラで町の自慢であったに違いない。今ではかなりの老朽化が見られるが、駅前にある自動販売機も駅舎の雰囲気に呑み込まれて、その時代の空気感を漂わせている。待合室に入れば古いブリキ調の看板が飾ってあり、年齢に関係なく誰もがセピア色の空間に染まれるだろう。

小説の中で「マッチ箱のような汽車」と称して実際に運行されていたのが、小型の蒸気機関車だ。漱石も坊っちゃん同様、この汽車に乗って松山の町を行き来している。

現在では、市内線(古町~道後温泉、松山市駅~道後温泉)において運行し、ディーゼル方式を採用したレプリカが走行しているが、外観は表現されている通りおもちゃのような可愛らしさで、遊園地の電動汽車を思い浮かべる人もいるかもしれない。乗る楽しみもあるものの、見所は手動で機関車を方向転換する場面だ。始発終着駅でしか見られないので、立ち寄った際には是非とも足を止めて欲しい。人の背の1.5倍の高さしかない機関車を、駅員二名がかりで回転させる姿はそう見られるものではないだろう。

「坊っちゃん列車」の最終駅である道後温泉は小説の中でも記されており、“大変うまいと云う評判だから、温泉に行った帰りがけに一寸食ってみた”と登場する団子は、今ではお土産として観光客に喜ばれている。

そんな小説の世界を大切にしている駅舎は、三津駅とは違ったレトロ感を味わうことができる。明治に流行ったであろう洋風の外観は復元されたがゆえに若干の新しさを感じるが、夜間にライトアップされてぼんやりと映る姿は情緒たっぷりに語りかけてくれる。

最寄の温泉旅館やホテルに泊まって、時代をゆっくりさかのぼってみるのもいいだろう。「日本書記」や「万葉集」に伊予の湯として登場する日本最古の名湯も味わって、心も体も同時に癒してもらいたい。
窓枠が絵画の額縁に見え、壮大な芸術を鑑賞しているようにも思えるだろう。
愛媛県松山市湊町4-4-1(伊予鉄道株式会社)
伊予鉄道松山市駅より徒歩1分
089-948-3222(庶務課 8:30~17:30※平日のみ)
雑学メモ
■重要文化財に指定された「道後温泉本館」
明治時代に建築された「道後温泉本館」は、共同浴場として西の横綱と称されるほど有名で、坊っちゃん湯として親しまれています。重い屋根瓦で覆われた昔ながらの日本建築ですが、老朽化した建物を改築する際、莫大な費用がかかるため当時の町長は周囲の反対運動に遭い、一筋縄ではいかなかった逸話が残されています。今でもその姿は町長の意地とも言わんばかりの見事な構え。きっとあの世でも自慢の一つになっているでしょう。
日本人が感じる「懐かしさ」。これは「和」に限ったことではない。明治・大正にかけて好まれた西洋文化の遺産の数々もまた、日本人に甘酸っぱい郷愁を喚起させる。とりわけ洋風建築は、現在も「現役」として使われているケースも多い。それらを堪能できる路線が、南海電鉄・南海線だ。現在、南海線は関西空港へ向かう足として重宝されているが、普通、もしくは準急列車に乗ると、期せずしてレトロ駅舎を巡る旅となる。

なんば駅から和歌山方面に向かい、堺駅を過ぎて3つ目の駅が諏訪ノ森駅。一見すると小奇麗な普通の駅に見えるが、飾り柱やベンチなど、端々にレトロ感がうかがえる。それもそのはず、上り線の駅舎は大正8年築で、国の登録有形文化財に指定されている。必見なのは、明り取り窓にはめ込まれた5枚のステンドグラス。青松が海岸に立ち並び、海の向こうには淡路島。昭和初期頃までの諏訪ノ森海岸の風景が刻まれている。

この白砂青松の海岸は「高師の浜」として、諏訪ノ森駅の隣、浜寺公園駅付近まで続いていた。これに加えて浜寺近辺は、かつて関西屈指の海水浴場として名を馳せていた。「海水浴」という娯楽もまた、西洋からの輸入品。当時はハイソサエティーなレジャーだった。当然、街そのものにも西洋感覚が溢れ、別荘や高級住宅が立ち並ぶことになる。その玄関口として浜寺公園駅も、当時においては屈指のハイカラさをまとって建てられた。明治40年のことである。

この駅舎を設計したのは、明治日本における西洋建築の礎を築いた辰野金吾氏と片岡安氏。辰野氏はレンガ造りの中央停車場(現・東京駅)や日本銀行の建築を手がけた人物だ。浜寺公園駅は、梁や柱を隠さずに「模様」として使い、その間に漆喰を埋めていく「ハーフティンバー」と呼ばれる英国伝統の様式で設計されている。

エントランス正面の軒を支える西洋風の柱、その脇には円柱形の郵便ポスト。駅舎のみならずホームの屋根なども当時の面影をそのまま残している。梁と柱が描く曲線と直線の組み合わせ方が絶妙だ。また、かつて待合室として使われていた場所は現在、浜寺ステーションギャラリーと銘打ち、一般に開放されている。

現在は化粧直しが施された浜寺公園駅舎だが、そのレトロ感は失われていない。逆に建てられたばかりの頃を彷彿とさせ、タイムスリップしたかのような錯覚に陥る。白い漆喰の壁、青みがかった梁や柱、そして赤い屋根。そのコントラストは気品漂う貴婦人といったところだろう。

その他、南海線で注目したい駅は、岸和田駅隣りの蛸地蔵駅。大正14年築で、ここにも諏訪ノ森駅同様、ステンドグラスが用いられている。描かれているのは戦国合戦絵巻。この地に残る大蛸にまたがった法師の伝説が表現されている。また、淡輪駅の駅舎も大正14年築。建物中央に時計塔が残り、ファンタジックな装いをかもし出している。各駅停車で、ゆっくりとした時間を身にまといながら訪れてみたい駅舎の数々。ぜひ堪能してほしい。
大阪市中央区難波5丁目1番60号(南海電鉄南海線 なんば駅)
近鉄難波線 近鉄難波駅より徒歩1分(南海電鉄南海線 なんば駅)
06-6643-1005(南海テレホンセンター 8:30~18:30)
雑学メモ
■モダンのメッカ、浜寺公園は今
浜寺公園ができたのは明治6年。大阪で最も古い公園のひとつですが、浜寺一帯の海岸は戦後になって埋め立てられ、青松の多くが伐採されました。しかし「鳳凰松」など、一部の名松は伐採をまぬがれ、今でも同公園内で見ることができます。ひと夏で100万人もが訪れたといわれる海水浴場も今はありませんが、公園の一角には浜寺公園プールがあり、夏は多くの人で賑わっています。また、公園内の「ばら園」は5月になると6500株がピークを向かえ、こちらも観光客に人気です。
『駅すぱあと』最新情報
************ ダイヤ情報 ****************
【 鉄道 】

 京浜急行電鉄 大師線 2007/01/06 一部ダイヤ変更

 熊本市交通局 市内電車 2007/01/09 ダイヤ改正

 愛知高速交通 東部丘陵線(リニモ) 2007/01/15 ダイヤ改正
 

駅すぱ・川柳・・・
「初詣は電車でおまいりしてお神酒が飲めるようになった。飲酒運転が怖い」とのコメントをいただきました。昨今では寺社でもお神酒を自粛したり、瓶詰めを配って帰宅後に飲んでもらうよう工夫したりと、飲酒運転防止策を講じているようです。その点、電車ならお神酒を存分に楽しめますね。まさに「鉄道でよかった!」という瞬間です。
「世の中は様々な乗り物がありますが、その中でも人同士の触れ合いを感じられるのは鉄道だと思います。お年寄りや怪我をしている人などに席を譲る光景は、いつ見ても気持ちいいものです」とのコメントをいただきました。電車は一期一会の場であり、車と違ってすべてが「合い席」といえますよね。時代が変わっても、お互いをいたわる心が溢れる鉄道であってほしいと思います。
「バスは揺れて口紅も塗れないし、眉も描くことができませんが、電車なら大丈夫。目的の駅に着く頃には別人(?)のようになっています。でも恥じらいはどこへいっちゃったんでしょうか?」とのコメントをいただきました。恥じらいは・・・網棚の上あたりでしょうか?(笑)でも個人的に、最近は見慣れた風景になりつつあるというか、見ていて手際の良さや「なるほど、ここまで変わるのか!」と感心することもあり、「それに引き換え男は楽だなぁ」と思います(笑)。
次回2007年2月号は、2007年2月7日(水)配信予定です。お楽しみに!
「駅すぱあとアンテナ」1月号
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発行  株式会社ヴァル研究所 http://www.val.co.jp/
発行日 2007年1月10日(水)
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