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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第97話

原ノ町駅「浜べんとう」

ねえ大ちゃん。常磐線の特急「スーパーひたち」って格好いいね。

うん? ああ、漫画アクションの『駅弁ひとり旅』第97話に登場のタキシ-ドボディ651系のことだね。

菜々 : そうそう。タキシ-ドボディ! それも白のタキシードなんて、最高よね。
さすが、 HITACHI(日立)だわ!
大介 : おいおい。菜々ちゃん、発音はひたちでも、日立じゃなくて、常陸。
旧国名で、場所はほぼ茨城県の北東部だよ。
菜々 : えー! ホント? 私、茨城県には日立市があるし、そこには日立製作所があるから、
てっきり日立製だと思ってた。
大介 : うん。確かに日立では蒸気機関車の時代から九州新幹線まで、ずっと鉄道車両を
造ってきたけれど、651系は川崎重工だよ。
菜々 : 川崎重工? まあ、ライバル会社じゃない。ああ、勘違い!
大介 : まあ、仕方がないよね。常陸の国の中に日立市があって、そこは、世界的に有名な
HITACHI(日立)の発祥の地。そして常磐線を走っている特急の名前が
「スーパーひたち」では、菜々ちゃんのように勘違いしても仕方ないか。
女は地理に弱いからな。
菜々 : ムッ! 女は地理に弱いですって! ムカツク! じゃ、地理に強い大介先生に
お尋ねしますけど、この、駅弁「浜べんとう」を売っている常磐線の原ノ町駅、どうして
町名は原町(はらまち)なのに、駅名は原ノ町(はらのまち)なの?
大介 : ウッ!(絶句) 菜々ちゃんの、鋭いご質問に不肖大介、不詳です。
菜々 : ならば、教えて進ぜよう。現在は南相馬市原町(はらまち)区だが、もともとは
相馬郡原町村だった。明治30年に町制が施行され、原ノ町(はらのまち)に。鉄道の開業
はその翌年明治31年。駅名は当然、原ノ町駅(はらのまちえき)に決定。その後、昭和
29年に市制が施行されて原町市(はらまちし)に。つまり駅名だけが、改名されず、
明治時代のまま今に残ったというわけじゃよ。わかったかな? 地理に強い大介君。
大介 : ハッハー! 面目ありまっせん。ありがとうございました。
菜々 : ハッハッハ! いい気分! ところで、原ノ町駅の駅弁の立ち売りさん。
可愛い女の子ね。野球帽が特にチャーミングだわ!
大介 : 丸屋さんね。駅前でロイヤル丸屋っていうホテルもやっている。
菜々 : おや? この野球帽、「や」って書いてある。何の頭文字だろう?
丸屋さんでしょう? だったら「ま」じゃないの? 大ちゃん。
大介 : 実は、僕も不思議に思って、原ノ町駅に「スーパーひたち」が停車中の2分間に聞いて
みたのさ。そしたら、なんて答えたと思う?
菜々 : え? 「や」か……。原ノ町駅でしょ、常磐線でしょ、丸屋さんでしょ、わかんない!
大介 : 正解は、丸(○)の中に「や」。それで、丸屋というわけ!
菜々 : なーるほど。それなら大ちゃんは、「丸太」ね。
大介 : え? 「丸大」じゃないの?
菜々 : ううん。「丸太」。丸々太ってるから。