読みモノ&レポート満載! 駅すぱ図書館

駅弁ひとり旅・こぼれ話

第89話

きらきらうえつ弁当

ねえ、大ちゃん。この春のダイヤ改正で、九州行の最後の
ブルートレイン「富士」と「はやぶさ」がなくなっちゃたんですって?

うん。そうなんだよ。思えば、菜々ちゃんと初めて出会ったのが、そのブルートレインの車内だったよね。僕が「富士」で大分へ、一方、菜々ちゃんは「はやぶさ」で熊本へ行ったんだ。

菜々 : そうそう、そうして翌朝、門司の駅でお別れしたんだよね。あーあ、
それもこれも、全部、思い出。もう、二度と体験できなくなっちゃったのね。
うーん、もう一度、乗りたかったなあ。
大介 : 僕も同感。いつの日か、復活すると、いいね、ブルートレイン。
菜々 : よっしゃ、「ブルートレイン復活!」のキャンペーン始めるぞい!
大介 : おお、頼もしい!
菜々 : ところで大ちゃん、『駅弁ひとり旅』第89話に登場している快速「きらきらうえつ号」って、
カラフルできれいな列車ね。
大介 : うん。カラフルなのは外観だけじゃないよ。車内がまた素敵なんだ。
とくに、2号車のラウンジカーは最高だよ。「茶屋」っていう名前の売店があってね、
「越乃寒梅」「八海山」「朝日山」「吉乃川」「越後路」それに「朱鷺」が飲めるんだ。
菜々 : え? それって、なーに、お茶なの?
大介 : ううん、新潟の地酒だよ。この中でも僕は「越乃寒梅」と「八海山」が特に大好きなんだよねぇ。
ヒック!
菜々 : まあ、それだけ、お酒の名前がスラスラ出てくるとは、
さては、全部、飲んでみたってわけね!
大介 : ピンポーン! ヒック! ヒック!
菜々 : もしかして大ちゃん、二日酔い? まあ困った人ね。それで、駅弁はどうだったの?
大介 : 「きらきらうえつ弁当」のこと? それがね、これまたお酒によく合うんだな。なんたって、
掛け紙を外すと、お星様がふたっつ並んでてキラキラ輝いているんだよ。
さすが「きらきら弁当」だよ。
菜々 : プロデュースは?
大介 : よくぞ、聞いてくれました。「きらきらうえつ号」の6人の車掌さんなんだよ。
きっかけは、お客さんからの「地元食材を使った記念になるようなお弁当がほしい」という
声だったんだって。その期待に見事、応えたってわけね。
菜々 : なーるほど、お客さんの声がそのまま反映されたのね。めでたし、めでたし。