読みモノ&レポート満載! 駅すぱ図書館

駅弁ひとり旅・こぼれ話

第87話

独眼竜正宗辧當

ねえ、大ちゃん。『駅弁ひとり旅』第87話は陸羽東線が舞台ね。
私、鳴子温泉は前に行ったことあるんだけど、
始発駅が小牛田って、知らなかったわ。
確かに列車で行ったはずなんだけど…。

ハッハッハ。車で行ったんでないかい?

菜々 : ううん。ちゃーんと鳴子温泉駅と有備館駅の写真があるわよ。ほらこれ見て。
大介 : おお、車両はキハ48だね。菜々ちゃんもまだ可愛い! ってことは、10年くらい前か。
菜々 : まだ、だけは余計よ。そうそう、中3の夏の家族旅行の時だから、12年前ね。
大介 : 確かに、列車で行ったはずなのに、しかも、途中駅と目的地の駅の写真がある。
それなのに、始発駅の記憶がないとは…。わかった!居眠りしてたんでないかい?
菜々 : ドテ! 私の場合、居眠りの可能性は超あるけど、小牛田駅って、乗り換え駅でしょう、
いくらなんでも、居眠りしながら乗り換えはできないわ。
大介 : でも、酔っぱらってると、居眠りしながら乗り換えできるかも。
菜々 : 今の私ならありうるけど、なんたって中3よ。お酒飲めるわけないじゃんか。
大介 : それもそうだ。となると、ミステリーだね。そうだ! 鉄道ミステリーの大御所、
西村京太郎先生に聞いてみよう!
電話 : もしもし、西村先生、お元気ですか? 大介です。
実は、コレコレシカジカで本人は記憶にないと言っておりますが。
いかが、いたしましょうか。え? すぐに十津川警部を派遣する、その間、
菜々容疑者は重要参考人として身柄を拘束せよ、ですって!
大介 : ヒェー、菜々ちゃん、大変なことになったよ。
菜々ちゃんが小牛田駅で居眠りしたばかりに、逮捕されるって。どーする?
菜々 : んもー。大ちゃん、独り芝居はやめてください。
大介 : それじゃ、真面目に、仙台から鳴子温泉に鉄道で行ったというけど、
仙台からは何に乗ったの? 東北本線、それとも?
菜々 : あ、思い出した。七夕で仙台市内が大渋滞しちゃって、
これじゃ鳴子温泉着くの遅くなっちゃうからって、新幹線に乗ったんだわ。
大介 : って、ことは、乗り換えは小牛田駅じゃなくて、古川駅。
菜々 : そうだったのか。小牛田さん、ごめんなさい!
菜々 : ところで、小牛田駅は東北本線、陸羽東線、石巻線の乗り換え駅だけど、
駅弁はあるの?
大介 : それがね、あったよ。と過去形で言わなきゃいけないんだ。
菜々 : いつまであったの?
大介 : 去年(08年)まで。
菜々 : えー、ついこないだじゃん。
大介 : そうなんだよ。正確には、去年のは「美味し国、伊達な旅」キャンペーンの一環で、
期間限定の小牛田駅弁「みさとべんとう」が発売されたんだけど、それ以前の、
東北新幹線が開業する前までは、「栗駒弁当」「山海ちらし寿司」「ほたてすし」
「ささにしき弁当」などが小牛田駅の名物駅弁だったんだよ。
菜々 : うっわー、すごい、美味しそう!
大介 : さらに、鳴子温泉駅(当時は鳴子駅)にも駅弁「きのこめし」があったんだ。
菜々 : んまー、「きのこめし」ですって? ヘルシーでいいわね。ぜひ復刻してほしいなあ。
絶対に人気出ると思うんだけど。特にメタボに悩む誰かさんには!
大介 : グサ!