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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第79話

うに弁当

大ちゃ~ん! すごいね、今回の久慈駅の駅弁も! 
駅弁ファンの憧れ、垂涎の的、幻の駅弁ですって?私も食べた~い!

フッフッフ……三陸鉄道の「うに弁当」のことだろう?
なんたって1日限定20個だから、垂涎の的なわけさ。
ところで菜々ちゃんは、若いのに垂涎なんていう難しい言葉、よく知ってるね。「涎を垂らす」って意味なんだけど。

菜々 : 実はね、漫画アクションの上司の小阪デスクなんだけど、
いつも会社のデスクで居眠りしながら涎を垂らしてるの。ニックネームは「垂涎デスク」。
それで覚えちゃったの。それより、久慈駅の三陸リアス亭の女将さん、
工藤クニエさんだけど、昔からのお知り合い?
大介 : うん、そうだよ。初めて会ったのは、今から20年も前のことだけど、
当時は「三陸鉄道の駅弁車内販売のおねえさん、ミス三鉄」だったっけ。
次は10年ぐらい前、「そのころは三鉄のおかあさん」って呼ばれてた。懐かしいなあ。
菜々 : 今はもう、車内販売してないの?
大介 : うん、やっぱ、車販は体力に超大変なんだって。
そこで今は、久慈駅待合室の三陸リアス亭に専念してるんだって。
菜々 : それじゃ、「うに弁当」は久慈駅に行かない限り食べられないのね。
大介 : そうとは限らないよ。クニエさんが丹精込めた「うに弁当」は毎朝、
三陸鉄道のディーゼルカーに乗って宮古駅までデリバリーされるんだよ。
菜々 : なーるほど。1日20個の限定販売「うに弁当」は、クニエさんの心が籠ってるのね。
ところで、大ちゃんの夢だったオリジナル駅弁がついにJRの大船駅と、
藤沢駅と、江ノ電の鎌倉駅などで新発売だね!
大介 : 「湘南ツイン弁当」だよ。うれしいね。パッケージは80系湘南電車。
菜々 : 湘南電車、大ちゃん大好きだもんね。では、ツインは?
大介 : それはね、お弁当の掛け紙を外してごらん。
菜々 : あ、あ、あ! 美味しそう! イカのウニ焼きが二つ、サンマの竜田揚げが二つ、
玉子焼きも二つ、鶏照り焼きも二つ……。
大介 : ご飯も左右に、カレーご飯とトマトご飯、みーんな二つずつだから、ツインなのさ。
菜々 : なーるほ。それでツイン弁当か。でも、どーしてツインにしたの?
大介 : それはね、湘南は『駅弁ひとり旅』もいいけれど、
日本で一番カップルが似合う場所だから。
カップルで湘南に来て、江ノ電に乗って、海の見える駅で途中下車して、
海岸に腰掛けて、二人で仲良く食べてもらいたいからさ。
菜々 : 「湘南ツイン弁当」って、最高だね!