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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第73話

鮭はらこめし・ウニめし

前回の『駅弁ひとり旅』のブログで「東北地方は駅弁王国」って
大ちゃん叫んでいたけど、本当だね。盛岡駅の駅弁売場って、
すっごーい品揃え! 感涙ものね!

だろう! 菜々ちゃん。盛岡駅に限ったことじゃないんだけど、
みちのくには駅弁が、すこぶる充実した駅が多いんだよ。
ま、盛岡も、ワン・ノブ・ゼムさ!

菜々 : まー、大ちゃん、英語なんか使っちゃって、似合わないわよ。
ま、大ちゃんに似合う英語といえば、メ、タ、ボ……だけかな?
大介 : おいおい、菜々ちゃん、失敬じゃないか。それもWで失敬とは!
菜々 : だってー、『漫画アクション』最新号、見たわよ! 71話で私が東京に帰ったと思いきや、
72話でもう、フランス娘とイチャイチャしてるんだもーん。
それで、ワン・ノブ・ゼムなんて言うもんだから、菜々、怒ってるのよ! 
大ちゃんには、優子さんていう文字通り優しい奥さんがいるんだから、浮気しちゃダメヨ!
大介 : ヒィー! OK、OK、ザッツ・ライト! いけね、また英語出ちゃった!
菜々 : 駅弁は日本の文化なんだから、正しい日本語で解説してよ、大ちゃん!
大介 : は、は、はーあー。承知つかまつりましてござりまするう~~~ってか。
菜々 : ? ? ? ま、いいわ。それでは、盛岡駅のいち押し駅弁、行ってみよう!
大介 : じゃーん! 老舗、伯養軒の「鮭はらこめし」1000円!!!
菜々 : 鮭はもちろん分かるけど、はらこってナーニ?
大介 : 腹子って書くのさ。魚の腹の中にある卵のことだよ。鱈ならタラコ、鮭ならイクラ。
菜々 : ということは、「鮭はらこめし」って、鮭の親子丼ってこと?
大介 : ピンポン、ピンポン! 菜々ちゃん、大正解です!
菜々 : でもね、大ちゃん、ちょっと納得できないんだな。
「鮭はらこめし」が盛岡駅の名物ってことが。
私の盛岡のイメージは、わんこ蕎麦とか冷麺よ。
だって、盛岡って内陸の都市で、海が遠いでしょ。鮭は海の魚じゃないの?
大介 : ブ、ブ、ブー! 大不正解です! 鮭はね、産卵のために川を溯上する魚なんだよ。
小学校で習ったはずだけど、忘れちゃったのかな?
菜々 : 鮭が生まれ故郷の川に戻って産卵ことは知ってるけど、
それってアラスカやカナダでしょ。
盛岡から海まではずいぶん遠いから、ちょっと想像できなかったのよ。
大介 : でもね、昔から「南部の鼻曲鮭」って言葉もあるほどなのさ。
南部とは今の青森県東部から岩手県にかけての旧国名さ。
その岩手県、つまり南部藩に帰って来るオス鮭の鼻、つまり口先が曲がっているから、
「南部の鼻曲鮭」と呼ばれるようになったのさ。
菜々 : なーるほど! それでは、盛岡の名物駅弁「鮭はらこめし」いたらきまっすう!

※2008年8月5日現在の販売元:ウェルネス伯養軒盛岡支店/販売場所:盛岡駅構内売店