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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第72話

鶏めし

漫画アクションの『駅弁ひとり旅』もいよいよ72話ということで
東北編が始まったね。
大ちゃん、東北地方にはどんな駅弁があるの?

もちろん北海道の駅弁も美味しかったけど、
全国的に見て東北地方は駅弁が日本で一番充実してるかも?

菜々 : え? ホント?
大介 : うん。まず米どころでご飯が美味しいこと。それから雪国だから昔はね、
列車が大雪で立ち往生したんだ。そうなると炊き出しのおにぎりが大量に必要になる。
だから、他の地方では1駅1駅弁業者が原則だったんだけど、
東北地方では複数の駅弁業者が認可されたんだよ。
菜々 : なーるほど。駅弁屋さんが2軒、3軒あれば、当然ライバル関係になって、
その結果、駅弁の味も磨かれるってわけね。
大介 : その通り! そうして切磋琢磨され今や全国的に有名になったのが、
大館駅名物の「鶏めし」だよ。まあ、食べてごらん!
この味で850円が信じられない逸品さ。
菜々 : 本当に美味しいわ。鶏肉の香ばしいこと、柔らかいこと、あー、ほっぺが落ちるう。
大介 : そうだろう! ご当地名産の比内鶏ならではの味覚さ。
菜々 : ごちそうさま!
大介 : そうだ、大館の名物といえば鶏めしのほかにも超有名なものがあるよ。
もしかすると全国区では比内鶏より有名かも。
菜々 : えー、比内鶏より有名ですって? 何かしら、そんなに有名な美味しいものって。
大介 : ちょっと待った! 超有名って言ったけど、食べものじゃないよ。
まあ、国によっては食べちゃう国もあるけど、日本ではまず食べないな。
菜々 : えー、何? ぜんぜん、わかんなくなっちゃった。
大介 : じゃ、正解は、大館駅の駅前広場を見てごらん。
菜々 : わー、秋田犬の銅像だ。なんていう名前かしら、おや? 渋谷駅前のハチ公とそっくり! 
マネッコしたのかな?
大介 : マネッコだなんて、大館の人たちに怒られちゃうよ。銅像の解説をよく見てご覧。
「雨の日も風の日も、渋谷駅頭にて亡き主人上野英三郎博士を、待ち続けて十年、
愛と信頼の尊さを人々の胸に彫りつけ、昭和10年3月8日、
その生涯を終えたハチ公は、大館市の生まれである……」
菜々 : えー、渋谷のハチ公の生まれ故郷がここ、大館だったのね。ごめんね、ハチ公。
大介 : 今、渋谷の忠犬ハチ公の前には、東急の「青ガエル」もいるよ。
菜々 : 知ってるよ! 5000系って言うんだよ~ん。ワン、ワン!