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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第71話

逸杯辣星

青森駅の駅弁、「逸杯辣星」????…………
キャー、何て、読むのコレ?

あれれ菜々ちゃん、雑誌記者なのに漢字読めないの?
文学少女じゃなかったの?

菜々 : ウーン、大ちゃんのイジワル! こんな難しい漢字、誰だって読めないってば!
大介 : ならば、ワシが読んで進ぜようぞ。どれどれ、その駅弁、貸してみんしゃい!
ウーム、「逸杯辣星」か……、わかった! 「いっぺえらっせい!」
菜々 : 大ちゃんって、すごーい! どうして、スラスラ読めちゃったわけ?
大介 : よーく、見てご覧。「逸杯辣星」の行間を。
菜々 : え? 行間ですって? 行間になんて、何にも………、あ、あった! 
小さなルビ(ルビ=読み仮名のこと)がある。「いっぺえらっせい」……本当だ!
大介 : ハッハッハ! まだまだ菜々ちゃんは、雑誌記者として未熟じゃのう。
菜々 : だって、この難解な漢字ばかり、目が行っちゃって、ルビがあるの見えなかったよ。
大介 : そこじゃよ。こんなに難しい漢字だからこそ、どこかにルビがきっとあるはずと、
ワシは思うちょったんじゃ。読めないほど難しい字だと、売店の人も困るからね。
菜々 : なーるほど。大ちゃんて、頭いいね。さすが、お腹と一緒で頭もデカイ!
大介 : ドテ!
菜々 : ところで大ちゃん、「逸杯辣星」の意味は?
大介 : それもきっと、どこかに書いてあるはずさ。掛け紙になければ、中に解説ない?
菜々 : あー、すごい! 解説どころか、「ねぶた」のペーパークラフトが入っている。
あ、こう書いてあるよ。
『青森ねぶたの「らっせらー」の意味は「ろうそくを出せ」。
「いっぱい、ろうそくを出せ」がなまって「イッペエラッセイ」となり、そこから、
キラ星のような逸品が一杯入っているお弁当を創ろうと、
駅弁「逸杯辣星」が生まれました』
大介 : ふーん、青森ねぶたの掛け声「らっせらー」には、そんな意味があったのか。
勉強になるね。ところで菜々ちゃん、青森は「ねぶた」だけど、弘前はなーに?
菜々 : え? 弘前? 弘前も「ねぶた」でしょ。「弘前ねぶた」。
大介 : ブッブー! 正解は「弘前ねぷた」。青森は濁音、弘前では半濁音になるのさ。
菜々 : へー、同じ青森県の七夕祭りなのに、名前が一字違うなんておもいしろいね。
ところで大ちゃん、肝心の駅弁「逸杯辣星」のお味は?
大介 : それは、漫画アクション7月1日発売号、『駅弁ひとり旅』第71話をご覧あれ!