駅弁ひとり旅・こぼれ話 - 駅すぱ図書館

ディナー・セットメニュー

「ドーブルイ・ジェーニ！」（ロシア語でこんにちは）ということで、
「漫画アクション」大好評連載中の『駅弁ひとり旅』は、
ついに日本から海外、それもロシアのサハリンに
足を伸ばしちゃったわけだけど、
大ちゃん、ロシアに駅弁あったのかなぁ？

「ズジェース・イェスチ・エキベン？」つまり、
「駅弁、ありませんか？」って、
サハリンの駅や列車内で捜したけど、
残念ながら、なかったよ。

菜々：まあ、残念ね。でも、そのビッグなメタボ腹からすると、駅弁はなかったけど、
サハリンの美味しいもの食べてきたんでしょ？カニとかサーモンとかたらふく。

大介：す、するどい！　その通り！　サハリン・エクスプレスの食堂車のディナー、
最高だった。
オーチン・ハラショー！

菜々：カニは毛ガニ？　ズワイ？　タラバ？　私は毛ガニが一番好きだけど。

大介：タラバが１番、ズワイは２番。ロシアでは毛ガニは人気ないんだって。

菜々：えー、本当？　毛ガニって、繊細で美味しいと思うんだけど。

大介：なんでも、毛ガニは小さすぎて面倒なんだって。
そこでタラバの太い脚をガブリというわけさ。
大柄なロシア人にはタラバが一番よく似合うのさ。

菜々：大ちゃんも、お腹が特別大きいから、タラバがよくお似合いよ！ところで大ちゃん、
結局、サハリンに駅弁はなかったわけだけど、日本の鉄道車両は残っていたの？

大介：よくぞ、聞いてくれました。なんと、Ｄ５１が走っていたよ。

菜々：Ｄ５１って、ＳＬのこと？　日本の蒸気機関車？

大介：ピンポーン！　ヤーポン製、つまり日本製のＤ５１形蒸気機関車が、
昭和２４年に３０両サハリンに送られたそうだが、
その中の１両、Ｄ５１－４が動態保存され、
今では、観光列車ＳＬレトロ号の牽引機として活躍しているんだよ。

菜々：Ｄ５１は、日本を代表する蒸気機関車よね。
それが外国で今も走っているなんて、うれしいわ。
ほかの日本製車両は？

大介：それが、キハ５８系を発見したんだけど……可哀相に、みんな廃車。

菜々：キハ５８系って、国鉄時代の急行用ディーゼルカーよね。

大介：うん。ＪＲ東日本から２８両のキハ５８が無償譲渡され、
一時はサハリンの各地で大活躍してたそうだが、輸出じゃなくて、無償譲渡だけに、
故障するとスペア部品も手に入らなくて、結局、廃車され今は野晒し状態。

菜々：まあ、可哀相。歴史的にはＤ５１を廃車に追いやったのはキハ５８などディーゼル　
軍団だったけど、サハリンでは、Ｄ５１より先にキハ５８が廃車されたわけね。