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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第146話

品川駅「品川弁当鯨」980円

今回は品川駅から京浜急行の旅ね!

うん、そうだよ。まずは、京急で一番速い「快特」で
品川から横須賀中央へ、ファソラシドレミファ……!

菜々 : あ! 京急名物のドレミファ電車ね?
大介 : うん。でもね、もしかすると、京急名物じゃなくなっちゃうかも?
菜々 : ええ? なくなっちゃうかもって、どういうこと? 快特って、
京急の看板電車、つまり一番いい電車ってことでしょ?
最新型でしょ? それがもう引退するの?
大介 : 引退はしないけど、ドレミファ音が無くなりそうなんだよ。
菜々 : まあ、どうして? 楽しいじゃん!
大介 : うん。僕もドレミファインバーターは、大好きだし、京急ならではの音だと思うけど、
中には、楽しくないって、うるさ~い!って人もいるから、今後は音無し電車に
なっちゃうんだって。
菜々 : ふ~ん、残念だね。
大介 : これからは、ドイツでドレミファだね。
菜々 : ドイツ? ドイツと京急関係あるの?
大介 : うん。京急のドレミファインバーターは、ドイツのシーメンス社と日本の川崎重工の
共同開発なんだ。だからドイツの超特急ICEも、いい音出してるんだよ。
菜々 : へえ、ドイツの超特急もドレミファなのね、すご~い!
大介 : ただし、京急と比べると、もっと重低音だって。
菜々 : ふーん、バッハとかベートーベン、ブラームスって感じかな?
大介 : うまいこと言うね。
そういえば、ドイツのディーゼル機関車が、マイバッハのエンジンを搭載していたよ。
菜々 : マイバッハって、会社の名前かしら?
だとしたら、バッハの好きな社長さんが名付け親かもね。
大介 : 意外と奥さんかもよ?
菜々 : 奥さんね、フフフ。ところで、大ちゃん。品川駅の駅弁に「鯨」のお弁当があるなんて、
私、超びっくりしちゃったわ。
大介 : 実は僕も、ついこないだまで知らなかったんだよ。
菜々 : へえ、駅弁博士の大ちゃんでも、知らなかったとは、これいかに?
大介 : なぜなら、「品川弁当鯨」はつい最近の新発売だから。
菜々 : な~るほど。でも、品川と鯨って、結びつかないわ。
大介 : そうだね、今の品川駅からは海が見えないからね。
でも、明治時代は、品川駅のすぐ東側は東京湾の海岸だったんだって。
菜々 : ええ! 東京湾?
大介 : 鉄道唱歌によれば、
菜々 : うん。♪汽笛一声新橋を……ね。
大介 : その3番が品川なんだけど、♪窓より近く品川の、台場も見えて波白き、
海のあなたにうすがすむ、山は上総か房州か……って唄われているんだよ。
菜々 : す、すご~い! 品川駅から海はもちろん、お台場や房総の山が見えたのね。
ということは、鯨も?
大介 : そう! 「品川弁当鯨」のかけ紙は、江戸時代の鯨漁の絵だよ。
菜々 : 昔々、品川に鯨あり、今は、ドレミファ電車あり、ね!