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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第140話

修善寺駅「武士のあじ寿司」

大ちゃん、伊豆修善寺のロムニー鉄道って、
めっちゃ可愛いねえ!
私、気に入っちゃった!

うんそうだね。さすが鉄道発祥の国、メイド・イン・イングランド
だけのことはあるねえ。

菜々 : え? イギリス製なの?
大介 : そうだよ。
菜々 : だって大ちゃん、イギリス最初の鉄道は線路幅1435ミリで、それが世界中に広まって
標準軌(スタンダードゲージ)になったって言ってたじゃない。
大介 : あっはっは。ほとんど1435ミリ(4フィート8.5インチ)だけど、
全部が全部標準軌ってわけじゃない。日本のJRと同じ1067ミリ(3フィート6インチ)も
あれば、軽便鉄道の762ミリ(2フィート6インチ)もある。
菜々 : へえ! ミリだとずいぶん中途半端だと思ってたけど、フィートだと割とスッキリなのね。
ねえ、大ちゃんの地元、京王線は?
大介 : 4フィート6インチ(1372ミリ)さ。
菜々 : な~るほど。いろんなゲージが生まれたわけだ。
大介 : その中でも、世界最小の公共鉄道が、イギリスのロムニー鉄道の
15インチ(381ミリ)ゲージってわけさ。
菜々 : 15インチってことは、1フィート5インチね!
大介 : ブッブー! 1フィート3インチさ。
菜々 : え? どうして?
大介 : ヤード、ポンド法の長さの単位1フィートは12インチ。だから15インチは1フィート3インチ。
けれども、間違えやすいから15インチって呼ばれるようになったんだよ。
菜々 : そうだったんだ! イギリスって奥が深いねえ。
でも、イギリスではこんな小さな列車が遊園地じゃなくて、公共鉄道なの?
大介 : うん。伊豆ロムニー鉄道は、修善寺虹の郷のテーマパークの鉄道だけど、イギリスの
ロムニー鉄道は、英国交通省監督下の公共鉄道で、全長は21.7km、駅も6駅ある。
菜々 : 公共鉄道ってことは、このちっちゃな列車で通勤する人もいるの?
大介 : 昔はいたそうだけど、さすがに現在はマイカー通勤が主流。でも、沿線の学校に通う
子供たちの通学列車が定期運転されている。ジョン・サウスランド小学校とかね。
菜々 : イギリスの小学校の名前まで知ってるなんて、大介ちゃんすごい!
大介 : 種明かしすれば、それは、伊豆ロムニー鉄道のディーゼル機関車の名前だよ。
「ジョン・サウスランドⅡ」号!
菜々 : あ、本当だ! あずき色の機関車ね。
大介 : イギリスでは、「ジョン・サウスランド」号が、ジョン・サウスランド小学校の生徒を
乗せて走っているのさ。
菜々 : へえ、日本とイギリスで同じ型の姉妹機関車が走ってるんだ。
イギリス製の列車で、修善寺駅の名物駅弁「武士のあじ寿司」を食べるのも、
乙なものね!