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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第138話

御殿場駅「富嶽あしたか牛すき弁当」

大ちゃん、すごいねえ!
オリエント急行が箱根にあるなんて、私、知らなかったわ!
もう~ビックリ!

ルネ・ラリックのことは?

菜々 : もちろん、名前だけは知ってたわよ。フランスの工芸家でアール・ヌーボーと
アール・デコの時代を一世風靡した作家でしょう?
大介 : さすが、週刊アクションの記者だけあってパーフェクト!
菜々 : 実は静岡県にラリック美術館があることも雑誌で読んで知ってたわ。
でも、オリエント急行とルネ・ラリックは結びつかなかったの。だから、超ビックリ!
大介 : 僕も、オリエント急行のことはよく知らないけど、世界一の歴史と伝統と格式とを誇る
豪華列車だけあって、寝台車も食堂車もその時代の最高水準の技術で
造られたそうだよ。もちろん内装もね。
菜々 : なーるほど。それで、ルネ・ラリックが起用されたわけね!
大介 : ピンポーン! 時代的には1920~30年代、つまり、第1次大戦と第2次大戦の
ちょうど間、日本の年号なら大正時代から昭和初期にかけてで、
多種多彩な芸術が開花したベルエポックの時代だよ。
菜々 : 箱根ラリック美術館のオリエント急行は、1929年に誕生よ!
大介 : そう! この1920~30年代に製造された鉄道車両が、芸術的にも頂点と
呼ばれているんだ。その時代の中心にいた芸術家が!
菜々 : ラリックなのね! 大ちゃん、ありがとう。これでわかったわ!
オリエント急行とラリックの関係が。
大介 : ああ、そうだよ!
菜々 : ねえ、大ちゃん。このオリエント急行、1988年に日本を走ったって本当?
大介 : うん。当時はね、NOIE(ノスタルジー・イスタンブール・オリエント急行)といって、
スイスを拠点にチャーター運行していたんだ。88年は、フジテレビの開局30周年、
JR発足1周年ということで、パリ~東京間にオリエント急行が走ったんだよ。
その時の食堂車が、これ、オリエント急行サロンカー4158号「コート・ダジュール」号だよ。
菜々 : ところで、その車内で、お食事できるの? 駅弁は?
大介 : 残念ながら、車内で食事はできないけれど、コーヒー、紅茶、ハーブティーなど、
ティーとデザートが2,100円で楽しめるよ。
菜々 : お酒は?
大介 : おお、よくぞ聞いてくれました! ラリックは実はフランスのシャンパーニュ地方の
生まれで、こよなくシャンパンを愛したそうだよ。ということで、シャンパン(1,000円)も
用意されている。
菜々 : 美術館だから館内で御殿場駅の名物駅弁「富嶽あしたか牛すき弁当」を
食べちゃだめよね?
大介 : だから、箱根仙石原の雄大な自然の中で駅弁食べて、食後のお茶とデザートに
ラリック美術館のオリエント急行というのが最高さ!