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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第130話

大井川鐵道 新金谷駅「汽車べんとう」

大ちゃん、大井川鐵道ってすごいね。日本の蒸気機関車動態保存のパイオニアだったとは。これまで私、知らなかったわ。

うん。確かにすごいよね。規模の大きなJRや大手私鉄でもない、
ローカル私鉄の大井川鐵道が日本初のパイオニアなんだ
からね。

菜々 : その最初の動態保存機の2109号って、C11とかD51のように、アルファベットは
付かないの?
大介 : グッド・クエスチョン! CとかDなど、動軸数を表すアルファベットが形式に加えられる
ようになったのは昭和になってから。それ以前の、明治~大正の蒸気機関車は数字
だけの形式だったのさ。
菜々 : それじゃ、2109号は明治か大正生まれなの?
大介 : うん。明治24年(1891年)に英国のダブス社で製造され、はるばる海を渡って日本に
輸入された蒸気機関車だよ。
菜々 : へぇ! イギリス生まれなんだ。
大介 : そう。鉄道草創期の日本では、英国人技師から鉄道技術を学び、蒸気機関車は英国、
ドイツ、米国などから輸入したんだよ。蒸気機関車が国産でも十分高性能になった
のは、大正末から昭和初期だね。
菜々 : わかった! それが、C11やD51ね。
大介 : ピンポーン! その中でも、C11はタンク機関車の傑作機で、しかもローカル線に
適しているので大井川鐵道ではこれまで、C11の190号、227号、312号の3両が
活躍してきたんだ。
菜々 : その他にC10とC12が大井川の仲間ね。
大介 : うん。でもね、C11の312号が老朽化により、2007年に残念ながら引退したんだよ。
そのC11の312号の前オーナーは菜々ちゃんも知っている人だよ。
菜々 : え? 私も知ってる人って、誰かしら?
大介 : ほら、『松阪でアッツアツ牛めしに出会う!!』の……。
菜々 : まあ、大ちゃんがパッケージになってる駅弁! 新竹商店の女性社長、浩子さんね!
大介 : ピンポーン! 正確には浩子さんのお父さんだけど、ドライブイン「新竹」で静態保存
していた312号が大井川に譲渡され、およそ20年間活躍し、引退したというわけさ。
菜々 : そうだったのね。引退は残念だけど、皆に愛されて使命を終えたわけだから、きっと
幸せな生涯だったよね。C11の312号、長い間ご苦労様! どうもありがとう! 
ところで大ちゃん、大井川鐵道の駅弁、その名も「SLの里 汽車べんとう」どうだった?
大介 : うん。素朴な味わいがよかったね。特に、煮物の筍、里芋、椎茸がおばあちゃんの
味って感じで、SLとぴったり合っていたよ。
菜々 : あ~あ、菜々も食べたかったなあ。このC56のパッケージだけでも、田舎の、
の~んびりした感じが素敵だわ。
大介 : そうそう。大井川鐵道の沿線はお茶処。大鉄の駅弁を買うと、川根茶がサービス
されるのも大井川の美味&美点だね。