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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第128話

豊橋駅(稲荷寿し・手筒花火)

大ちゃんとは名古屋駅でお別れして、私は最終の「のぞみ」号で
鬼の中阪デスクが待つ東京にイヤイヤ帰ったんだけど、その次の日、
大ちゃんは一人で名古屋の電車乗り鉄したんだって?

うん、そうだよ!「乗り鉄ひとり旅!」

菜々 : え! 「乗り鉄ひとり旅!」か、いいなぁ。どんなん乗ったん?
大介 : デヘデへ。まず名古屋市営地下鉄の東山線。名古屋最初の地下鉄で1号線さ。
続いて、リニモ。愛知高速交通だよ。
菜々 : リニモって、可愛いらしい名前の電車ね。
大介 : うん、「愛・地球博」の時にデビューしたリニアモーターカーだよ。
菜々 : へえ、リニアモーターって磁石の力で浮くんでしょ? すごいなぁ!
大ちゃんも浮いちゃうんだ!
大介 : あのね、体重制限はないの! それから、愛環こと愛知環状鉄道と名鉄の
1000系特急「パノラマSuper」だよ。
菜々 : ふーん、「乗り鉄ふとり旅!」君、いっぱい乗ったのね。で、どれが一番よかった?
大介 : うーん、どれもこれもよかったけど、一番なら、やっぱ、名古屋の顔、名鉄の
パノラマカーで決まりだね!
菜々 : ふーん、小田急といえばロマンスカー、南海といえばズームカー、
近鉄といえば
ビスタカーだけど、名鉄はパノラマカーなのね。
大介 : ピンポーン! 初代の名鉄パノラマカー7000系はね、いまから50年も前の1961年に
誕生したんだ。産みの親の一人が、漫画アク
ョン連載「駅弁ひとり旅」の第130話に
登場する大井川鐵道の元副社長、白井昭さんだよ。
菜々 : 大井川鐵道の元副社長さん?
大介 : うん。50年前は名古屋鉄道の技術者で名鉄パノラマカー7000系開発チームの一員
だったのさ。名鉄パノラマカーのすごいところはね、なんといっても先頭車両を2階建てに
してパノラミックな前面展望を乗客に開放したことさ。もちろん日本初!
菜々 : あ、それって小田急のロマンスカーもそうよ。
大介 : でも、パイオニアは名鉄で、しかも特急なのに特急券も指定席券も不要ってとこが、
名鉄らしさだね。
菜々 : つまり、普通乗車券だけで誰でもパノラマカーに乗れたのね。
大介 : うん。今は指定券が必要だけど、当時は自由席だったのさ。それもこれも、名古屋は
トヨタの本拠地だけに道路も広い。車も多い。そこで、マイカーに負けないように、
普通乗車券だけで誰でも乗れる魅力的な電車、パノラマカーが誕生したんだよ。
その立役者が、鉄道の神様、白井昭さんさ。
菜々 : 白井さんは名古屋のご出身?
大介 : 大学は名古屋工大だけど、ご出身は岡崎と聞いているよ。
菜々 : あら、八丁味噌の岡崎ね。
大介 : ん。前に白井さんと一緒に、豊橋駅の駅弁「稲荷寿し」を食べたことがあるんだけど、
僕にはちょっと味が濃いなって感じたんだけど、白井さんはね、八丁味噌の故郷
岡崎出身だから、このくらいしっかりした味付けが、私にはちょうどいいって、それは、
美味しそうに召しあがっておられた。
菜々 : 私も豊橋駅の「稲荷寿し」食べた~い!