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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第126話

松阪駅(松阪でアッツアツ牛めしに出会う!!・松阪名物モー太郎寿司)

大ちゃん、やったね! おめでとう! 大ちゃんの念願叶って
ついに松阪駅の新作駅弁「松阪でアッツアツ牛めしに出会う!!」
新発売だね。生みの親としての感想は?

なはは、生みの親だなんて、照れるなあ!ほんの少しは協力したけど、生みの親はやっぱ、新竹商店の美人社長、浩子さんだよ。

菜々 : でも、浩子さん言ってたわよ。今から3年前に、初めて大介さんが、
「極上松阪牛ヒレ牛肉弁当」(1万500円)を買いにいらっしゃった時から、ぜひ、
大介さんをイメージした駅弁を創ろうって、あたためてきたそうよ。だから大ちゃんも、
立派な生みの親ってことよ。
大介 : なはは、ますます照れるなあ。でも、素直にうれしいねえ! 
浩子社長、どうもありがとう!
菜々 : ところで、大ちゃん。ほんの少しは協力したってどんなところ?
まさか、味見だけじゃないでしょうね。
大介 : それはですね。「松阪でアッツアツ牛めしに出会う!!」の試作段階でビーフの味付け、
特に隠し味でちょっぴり僕の希望を取り入れてもらったのさ。
菜々 : え? どんな味付け? 隠し味って?
大介 : それは菜々ちゃんといえども、教えられないよ。企業秘密だもん。
菜々 : そう言われると、ますます聞きたくなる。
ねえ、大ちゃん、誰にも言わないから、こっそり教えて?
大介 : ええ? 困ったなあ。それじゃ、誰にも内緒だからね。
耳を寄せて、◎×△ヒソヒソヒソ……。
菜々 : えええ~~~! ガーリックが隠し味ですって?
大介 : 菜々ちゃん、声が大きいよ。あーあ、「駅すぱあと」ウェブに乗って、全国、いや世界中に
流れちゃったよ。企業秘密だったのに。
菜々 : でも、確かに美味しいけど、ガーリックが入ってるって大ちゃんに教えられるまで、
分からなかったわ。
大介 : へっへっへ。そこが味噌なんだな。
菜々 : えええええ!!! 味噌も入ってるの?
大介 : もう、菜々ちゃん、ほんと、声が大きすぎるよ。とにかく、ガーリックは美味しいけど、食後
のことを考えると、特に女の子にとっては切実な問題。そこで、ガーリックの旨味のみお
肉の中に封じ込め、匂いは漏らさず、という画期的な駅弁に仕上げたのさ! エヘン!
菜々 : あれれ、大ちゃん? それもこれも、浩子社長のアイディアね。
大介 : うーん、その通り。女性社長ならではの細やかな心配りというわけ。
菜々 : いいストーリーだわ。いただき!
大介 : おいおい、企業秘密だってばぁ。
菜々 : 大丈夫! 老舗の味は簡単には真似できないから。ところで大ちゃん、
松阪って、「まつざか」それとも「まつさか」?
大介 : よくぞ聞いてくれました。駅名は「まつさかえき」だけど、松阪牛は、「まつさかぎゅう」
「まつざかぎゅう」さらに「まっさかうし」など、様々な呼び方がある。地元の人の発音は、
「まつさか」よりも「まっさか」って聞こえるね。ちなみによく間違えられる、レッド・ソックス
の「松坂大輔」、女優の「松坂慶子」は共に発音は「まつざか」。デパートの松坂屋も同様
で、阪と坂の漢字が違うだけに松阪市とは特に関係ないのです。