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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第122話

利家御膳・鯛のいなり手箱・甘えび寿し

金沢の私鉄、北陸鉄道って、今まで知らなかったけど面白いね。

面白いって、電車が笑っていたとか?

菜々 : ううん。そうじゃなくって、ベリー・インタレスティング!
とってもユニーク!
大介 : おお、どんなところが?
菜々 : うん。浅野川線が元京王井の頭線の3000系で、石川線が元東急の7000系ってとこ。
同じ私鉄で京王と東急だなんて、考えられないわ。
大介 : フムフム!
菜々 : だって、私の高校は井の頭線の沿線、大学は東横線沿線よ。
私鉄のカラーっていうか、全然雰囲気が違ってたもの。それが今は、同じ金沢の
北陸鉄道で走ってるなんて、信じられない。
大介 : その通り! そこが地方私鉄の面白いところだね。例えば、富山地方鉄道では東京の
元西武電車と、大阪の元京阪電車が一緒に走ってるし、島根県の一畑電鉄では、
元京王と元南海の電車が走ってる。
長野電鉄も小田急ロマンスカーと東急と営団日比谷線。究極なのは、大井川鐵道で、
元国鉄を筆頭に近鉄、南海、京阪などなど!
菜々 : す、す、すごーい! 電車のデパートね。
大介 : 大手私鉄では第一線を退いた電車たちが、地方私鉄で第二の人生ってわけ。
いつまでも元気な姿に会えるのは、鉄道ファンならずとも、
うれしいものだよね。
菜々 : 私もそう思うわ。ところで大ちゃん。京王線ってゲージが東急より広いって
聞いてたけど、大丈夫なの?
大介 : 大丈夫! なぜなら、京王線は1372ミリゲージで広いけど、井の頭線は1067ミリ、
東急やJR在来線と同じ狭軌なのさ。つまり、京王電鉄は、京王線と井の頭線で
ゲージが異なってるのさ。
菜々 : なーるほど。だから、明大前では立体交差してるのね。
大介 : ピンポン、ピンポーン!
菜々 : ところで、加賀温泉駅の「甘えび寿し」、超美味しそう。見た目も
透き通ってて芸術品みたい。
大介 : 美しさも然ることながら、酢飯と甘えびの甘さのハーモニーがたまらなかったね。
今思い出しても、ゴクリ!よだれが出てくるよ。
菜々 : 私ね、「甘えび寿し」っていうから、甘えびの握り寿しが並んでるのか、それとも、
軍艦巻きかなと思ってた。ところが押し寿しだとは、
想像すらしてなかったわ。
大介 : それは菜々ちゃんが、東京の生まれで、江戸前寿司に親しんできたからだと思うよ。
なぜなら、加賀温泉は文化圏で分けると、間違いなく関西圏だね。ということは、
お寿司の文化は、握りじゃなくて、
押し寿司、箱寿司さ。
菜々 : なーるほど。それで、甘えびの押し寿司なのね。

井の頭線