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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第121話

朝市弁当、玉宝

ねえ、大ちゃん。『駅弁ひとり旅』も、いよいよ能登半島だね。
実は私、学生時代から能登半島に憧れてたんだ。

どんなところに?

菜々 : う~ん。答えるのが難しい。なんと申しましょうか。強いて言うなら、「半島」だからかな?
大介 : 半島?
菜々 : そう!半島。英語でペニンシュラ。島も好きだけど、半分島っていう曖昧さが好み
なのかな?
大介 : え? 菜々ちゃん、ちょっと待って! 半島って、半分島って意味なのかな? えーと、
辞書によりますと、「海に向かって細長く突き出た陸地」。半分島とは出てないぞ!
菜々 : でも、雰囲気が半分島ぽいじゃん。それに、島にはほとんど鉄道がないけれど、
能登半島には、ちゃんとあるも~ん!
大介 : おっと、そう来たか。僕の大好物の鉄道を引き合いに出されると、反論の余地なし。
降参だ。
菜々 : それにね、能登半島を走ってるJR線って、七尾線って言うのよ。字は違うけど
私の名前に似てるでしょ! だから親近感があるわけ。
大介 : あ、はっは! 菜々尾か、なーるほど!
菜々 : それにね、七尾線ってローカル線だけど、すごいのよ! 三つの特急が乗り入れて
いるのよ。
大介 : 三つの特急だって?
菜々 : うん。「サンダーバード」に、「しらさぎ」に、「はくたか」!
大介 : あ、本当だ。これって、もしかして、すごいことかも? だって、「サンダーバード」は
大阪始発、「しらさぎ」は名古屋始発、そして「はくたか」は越後湯沢始発だけど上越
新幹線接続で実質的には、東京始発。つまり、大阪、名古屋、東京の三大都市から
直通特急が七尾線に乗り入れてるってわけか。
菜々 : そんなローカル線、他にないでしょう?
大介 : うん。確かに菜々ちゃんの言うとおり。七尾線は偉い!
菜々 : ところで、大ちゃん、七尾線でお奨めの駅弁は?
大介 : うん。七尾駅の卵巻き寿し「玉宝」が超有名だけど、駅弁らしい駅弁だったら
「朝市弁当」もいいね。
菜々 : 「朝市弁当」って、輪島の「朝市弁当」のこと? だったら輪島駅まで行かないと
買えないの?
大介 : ううん、大丈夫。七尾駅でも和倉温泉駅でも、それに「のと鉄道」の穴水駅でも売って
るよ。「のと鉄道」の穴水~輪島間は廃止されちゃったけど、駅弁「輪島の朝市弁当」
だけは残ったというわけさ。
菜々 : ふーん、そうだったの。悲しみの中にも、嬉しさアリね。
大介 : 「のと鉄道」は穴水~輪島間に続いて、穴水~蛸島間も廃止され、今残っているのは
和倉温泉~穴水間のみ。それでも苦しい台所だって。僕たちにできることは、大いに
乗って応援することだね。
菜々 : 賛成! では、私も「のと鉄道」に乗りに行ってきます!

のと列車