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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第120話

ぶりのすし、富山湾弁当

ねえ、ねえ、大ちゃん!氷見線の「忍者ハットリくん列車」超かわ
ゆいじゃん。やっぱ「ニン、ニン!」って言いながら走るのかなあ?

え?「ニン、ニン、拙者、氷見行きでゴザル」とか?

菜々 : そうそう! 発車のベルも「ニン、ニン!」とか?
大介 : んなわけ、ないっしょ! 仮にもJRなんだから、塗装だけだよ。
菜々 : そうだよね。JRだもん。それじゃ、大ちゃん、万葉線のアニマル電車は、
ネコだから、「ニャン、ニャン!」って言うのかな?
大介 : ブッブー! 菜々ちゃん、万葉線のアニマル電車は確かに可愛いけど、実はあれ、
ネコじゃないんだよね!
菜々 : ええ? ネコじゃないの? どう見てもトラネコよ!
大介 : ほら、それそれ!
菜々 : ええ? どれ?
大介 : うーん、もう意外と鈍いね、菜々ちゃん。もう一回、言ってみな。
菜々 : ええ? トラネコじゃないの?
大介 : ほら、それだよ、トラ、タイガー、だからアニマル電車だよ。
菜々 : なーるほど。可愛いトラちゃんだったのね。
大介 : なぜならば、アニマル電車ができたのは、今から15年も前のこと。
万葉線がまだ、加越能(かえつのう)鉄道だった時代なんだよ。
菜々 : 加越能鉄道って?
大介 : うん。旧国名の、加賀、越中、能登の3カ国を結ぼうという壮大な計画の下に発足した
私鉄だったのさ。
菜々 : で、どうして万葉線になっちゃったの?
大介 : うん。結局は、加賀にも能登にも延長されることなく、越中の高岡市と射水市を結ぶ
全長12.8キロのローカル私鉄だったんだけど、晩年は赤字がかさんで存続が難しく
なり、最終的には高岡市と射水市、そして富山県などが出資する第3セクター鉄道
に移行したのさ。
菜々 : ふーん。それで、今は、万葉線って名前の鉄道会社なのね。
大介 : そうだよ。でもね、経営は移行したけど、加越能鉄道の名物電車アニマル電車は
大人気だからマスコットとして残ったのさ。
菜々 : よかったね、ネコちゃん! じゃなくて、トラちゃん!
大介 : ちなみに作者は、平米小学校6年生の西田晴津子ちゃんだよ。
菜々 : でも、それ、15年前の話でしょう?
大介 : ということは、小学校6年生は11歳だから+15年で、今は26歳!
菜々 : キャー、私と同い年! 今も高岡に住んでるのかしら、会ってみたいわ!
大介 : もし、会えたら、どうしたいの?
菜々 : うん。高岡駅の駅弁「ぶりのすし」を肴に、富山の美味しいお酒で乾杯!かな?
大介 : 「ぶりのすし」もいいけど、冬場なら氷見駅の「ぶりかまめし」もいいよ。脂がのって
最高さ! やっぱ、熱燗かな?
菜々 : ゴク! ああ、本当に、飲みたくなってきちゃったわ。
大介 : おっと、菜々ちゃんの頭に角が出てきたよ。大トラ電車かな?

忍者ハットリくん列車