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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第119話

ますのすし

大ちゃん、大ちゃん!『駅弁ひとり旅』第119話に登場してる
黒部峡谷鉄道って、すごいねえ! トロッコ列車が超かわゆいし、
車窓の景色が超絶景ジャン! 
こんなすご~い鉄道が日本にもあったんだね!

そ、そう! そうなんだよ。お目が高い雑誌記者の菜々ちゃんにそう言ってもらえると、ほんとにうれしいなあ!

菜々 : ねえねえ、日本ではもちろん1番、世界でも屈指の峡谷鉄道ですって?
大介 : 一応、世界有数の……ってことになってるけど、実はね、
僕が調べた限りでは世界一かも?
菜々 : え~~~~! 世界一?
大介 : そうなんだよ。なぜなら、黒部峡谷鉄道は日本一険しいと言われる黒部川の
V字谷峡谷を走るから黒部峡谷鉄道っていうんだけど、この黒部川が
すごいんだ。まず北アルプスの中央に位置する鷲羽岳(標高2924m)が
源流なんだけど、日本海に注ぐまで、わずか86km!これだけの高低差を
一気に流れ下る、いや、流れ落ちる川は世界でも例を見ないそうだよ。
菜々 : それじゃ、鉄道建設するの、大変だったでしょうね。
大介 : 大変だからこそ、線路幅わずか762ミリというナローゲージ(狭軌)で
建設されたのさ。線路が狭ければ、当然車両も小さい、
路盤もトンネルも鉄橋も何もかも小さくて軽量だから、その分、工事が楽なのさ。
菜々 : なーるほど。それで車両が超ちっちゃいのね。お猿の電車みたい。
大介 : オイオイ、菜々ちゃん、お猿の電車なんて失敬な! 
でも、小さいことは小さいね。車両の天井の高さは2m25センチだけど、
プラットホームの高さが50センチはあるから、身長1m75センチのオイラと変わらない!
菜々 : 身長は一緒でも、体重は大ちゃんの方が多かったりして!
大介 : ドテ! いくらなんでも、僕の方が軽いよ。プンプン!
菜々 : ぷ! 冗談よ! ところで、時刻表見てたら、普通車の他にも、特別車、
リラックス車、パノラマ車もあるのね。大ちゃんのお奨めは?
大介 :まあ、天候や気温にもよるけど、雨降りじゃなくて、寒くなかったら断然、
普通車だね。だって、屋根はあるけど窓はまるでなく、フルオープン! 
風通しも最高だよ!
菜々 : ええ? それで危なくないの?
大介 :もちろん! クサリがあるよ。 もっとも、与謝野晶子が乗った昭和8年当時は
クサリも何もなかったみたいだね。
「囲ひ無き 山の車の席買ひて 八里上りゆく黒部の紅葉」
って詠われているのさ。
菜々 : 与謝野晶子さんは秋に来たのね? 私も秋に行きたいな!
ねえねえ、大ちゃん、お奨めの駅弁は?
大介 : やっぱ、富山といえば「ますのすし」1,300円だよね。最近ね、
「ますのすし」小丸800円も登場したよ。
菜々 : あら、サイズ的には半分かしら。全部食べきれない小食の女の子向きね。
大介 : おっと、小丸は菜々ちゃんには、関係ないか、2人前のフルサイズ、ペロりだもんね。
菜々 : こらー、大ちゃん、怒ったぞー!

ますのすし