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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第108話

鱈めし

ねえねえ、大ちゃんたちが乗った信越本線の「妙高3号」って、
各駅停車なのに名前があるし、しかも特急用の車両、どうして?

うーん。菜々ちゃんも、すっかりいっちょ前の鉄子になったねえ。質問の鋭いこと!

菜々 : へっへーん。「漫画アクション」の「駅弁ひとり旅」読んでれば、駅弁はもちろんのこと、
鉄道も自然に詳しくなっちゃうもーん! ま、大ちゃんのお蔭様ってとこかな。
大介 : へっへっくしょい! 菜々ちゃん、よいしょも上手くなったなあ。では、お答えしましょう!
では、お答えしましょう! まず、なぜ名前があるかは、各駅停車だけど、}
指定席車両があるから。
菜々 : あ、そっか! 気がつかなかった。みどりの窓口で指定券を申し込むとき、列車名が
ないと困るものね。じゃ、特急車両の理由は?
大介 : これはね、一番の理由は97年10月の長野新幹線開業によって、それまで走っていた
信越本線の特急用189系車両が大量に余ったから。
菜々 : え? 余ったからって、そんな……。仮にも特急車両なんだから、他の路線とかに
トラバーユするとか。
大介 : それができなかったのよ。189系って信越本線専用なのさ。碓氷峠越えの「横軽対策車」
だったから、簡単には他の路線に転属できなかったんだ。車両って改造するのは
もちろん、廃車するにもお金がかかるから、それまで走っていた線区を走らせるのが
一番いい方法さ。だから特急車両のまま、各駅停車(一部は快速)「妙高号」が誕生
したんだよ。妙高は信越本線の長野~直江津間を代表する山だからね。
菜々 : さすが大ちゃん、よーくわかったわ。ところで、直江津の駅弁「鱈めし」って、
すごいわね。鱈とタラコの親子丼なのね。
大介 : うん。鱈とタラコの親子丼どころか、鱈の駅弁そのものが直江津駅だけなんだよ。
菜々 : 鱈は直江津の名物なの?
大介 : いや、鱈は北日本、つまり中部地方から北海道にかけて多い魚だから、
なお直江津名物というよりも、北日本名物だよね。それより、
新潟県や長野県では、正月のお節料理に、
干鱈の甘露煮が欠かせない一品だったようだよ。
菜々 : つまり、新潟や長野の郷土料理ってわけね。
大介 : ピンポン! そこで直江津の老舗駅弁店、ホテル・ハイマートの社長さんが、地元の
家庭料理の干鱈の甘露煮をベースにした駅弁「鱈めし」を考案したというわけさ。
菜々 : なーるほど。ホテル・ハイマートの社長さんにとっては、お袋さんの味ってわけね。
大介 : うまいこと言うね、菜々ちゃん!
菜々 : うまいのは、直江津駅の「鱈めし」よ!

黒姫駅