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駅すぱ・どっち方面

【観光地の"足"】対決は「ボンネットバス」に軍配!

ボンネットバス

「駅すぱあとアンテナ」11月号の「駅すぱ・どっち方面?」コーナーは、観光地の"足"対決。今回もたくさんの皆様から投票いただきました。結果は「人力車」を抑えて「ボンネットバス」に軍配!どちらも、昔を懐かしむ声が多く寄せられました。

それではさっそく「ボンネットバス」派の皆さんのコメントをご紹介してみましょう。

  • ◇『レトロ感溢れるボンネットバスに乗りたいと思う。スタジオジブリ作品「となりのトトロ」で登場するバスも、このボンネットバスなので、尚更である』
  • ◇『人力車は気を遣いそうで、気軽に乗れるバスの方に一票』
  • ◇『人力車は魅力ですが行動範囲が限定されるし、コストも心配です。のんびりバス旅が良いかな!』
  • ◇『私は太っているので、人力車は頼みずらいんです』

皆さん様々な理由からボンネットバスに一票投じていらっしゃいますね。ちなみに私も太っているので、人力車だと申し訳ない気持ちになってしまいそう・・・割り増し料金取られそう・・・。

  • ◇『50年も前になりますが、登山によく行っていたころに乗った山間を走るボンネットバスを思い出しました。バスの中央部に立っている女の車掌さんを懐かしく想います』
  • ◇『私がまだ小学生の頃は、地域の路線バスは「ボンネットバス」で、女性車掌さんが乗っていました。最近は観光地ぐらいでしか見ることは出来なくなりましたね。あの何ともいえない車体の揺れ、きしみ音が懐かしいです。いつかまた乗ってみたいです』

現在、観光地などを走るボンネットバスでは、当時にならって女性車掌さんが同乗しているところもあるそうです。ちなみに私事で恐縮ですが、義母はボンネットバスの元車掌、義父はボンネットバスの元運転手。バスが育んだ愛というのも、あるんですね~。

  • ◇『40年前、大学まで夏休みは田舎暮らし、駅よりボンネットバスに乗り、田圃の匂いの中を約30分、小さな集落の火の見櫓前で下車。そこから数分歩くと、おばさんの家。懐かしい思い出です。ところで、終戦直後、東京で母が「ギンバス」と言っていたのは、どこの会社のバスだろうか、もちろんボンネットのバスですが』
  • ◇『極寒育ちの道産子にとって「ボンネットバス」は、交通手段の足でした。強風が吹くとラジエーターの前に段ボールを貼り付けて頑張って走ってくれましたが、零下32~33℃以下になると、不思議とラジエーターが凍結してバスが停止しました。寒いバスの中で友人と押しくら饅頭をよくしたものです。今は「レトロ感満点。懐かしのバス」ですか。今の人は分からないでしょう~』
  • ◇『人力車は私が小さい時、現在の京橋郵便局の横手に見番があって芸者さんが乗っていたのをよく見かけました。お正月など黒の裾模様の着物に潰し島田を結って稲穂のかんざしを付け、ご贔屓筋へのあいさつ回り。ボンネットバスは銀座へ行くのに循環バス。懐かしいですね』

ボンネットバスを知らない世代の私でも、ありありと情景が浮かんでくるようなコメント、どうもありがとうございます。さて、そんなレトロ感あふれるボンネットバスですが、何ヶ所かで元気に走行しています。有名どころでは、東海バスの「伊豆の踊子号」。冬場は基本的にシーズンオフとなり、来シーズンは2010年3月16日~11月30日の期間中の休日に運行されるとのこと(夏休み期間は除く)。

オススメは、山形県尾花沢市を走るレトロ調ボンネットバス『銀山はながさ号』。JR大石田駅と銀山温泉を結んでいます。ボンネットバスで行き着く先が、全国屈指のレトロ温泉郷。なんとも贅沢です!

もうひとつのオススメは、熊本を周遊する「じゅぐりっと号」。レトロバスで巡る人吉・球磨の旅を楽しめますが、3月から11月の期間は「SL人吉」号と接続しています。蒸気機関車で旅をして、駅を降りたらボンネットバス。こちらもレトロな組み合わせで、情緒たっぷりです。

さて、一方で「人力車」派の皆さんにはどんな声が多かったのでしょうか。

  • ◇『城下町や土塀、石垣の残る町並みに溶け込むのは人力車だ。明治大正ロマンの極致』
  • ◇『細かい地理案内は人力車の独壇場でしょう。食事処やお薦めの紅葉ポイントなどもすぐに案内してもらえそうです。タクシーと違って風情がありますよね。でも何か、恐れ多くて気軽には乗れない感じです』
  • ◇『飛騨高山へ何回か旅行しました。昔懐かしい静かな、落ち着いた街並みが大好きです。思いきって妻と二人で人力車に乗る事にしました。二人の重さが気になりました。人力車の高さからの眺めは驚くほど新鮮に感じました。機会があればまた人力車に乗りたいと思います』
  • ◇『9月末に北海道旅行に行き、小樽観光で人力車に初めて家内と乗りました。車夫の方は私共の二男と同い年で、短い時間ではありましたがとても丁寧に案内をして下さり、大変良い思い出が出来ました』
  • ◇『ボンネットバスは何回も「伊豆の踊子号」などで乗っているけど、人力車は乗ったことがない。漱石の「坊っちゃん」に出てくるような袴のマドンナとゆらりと観光してみたい』

人力車こちらも風情、ありますね。ちょっと高いところから街を眺められる新鮮さ、さらに車夫の方とのコミュニケーション。ちなみに今回、ボンネットバスに投票された方の中には、「車夫がアルバイトの方で、上り坂でゼイゼイと息が切れて、申し訳なくなって降りた」という方もいらっしゃいました。その一方で、「小樽での人力車体験が良かった」とコメントしてくれた方が数名。旅が楽しいものになるか否かは、車夫の方の"プロ根性"にかかっているのかもしれませんね。

いつもの旅とはちょっと違う情緒をもたらしてくれる、ボンネットバスと人力車。機会があればぜひ利用してみてくださいね!