
ではここで、春を告げる花を3種類ご紹介しましょう。

まずはお馴染みの福寿草。地面に黄色い花をつけるキンポウゲ科の多年草で、正月飾りにも使われることから"元日草"とも呼ばれています。北海道や本州の山野で多くみられ、今回ご紹介する群馬県甘楽郡下仁田町の「あぶだ福寿草の里」では、例年2月中旬から3月中旬にかけてが見頃。同時期に開園となります。
同園では、地域のボランティアの方々の協力により、古くからこの地に咲いていた福寿草と、植栽した約1000本の紅梅が守られています。おすすめの時期は、福寿草とともに開花した梅も楽しめる3月上旬頃。傾斜地が多いため両方を写真に収めやすい一方で、遊歩道が整備されているためご年配の方でも気軽に散策を楽しめます。
毎年、3月の第一土曜日に「福寿草まつり」を開催。昨年は先着300名にキノコ汁が振舞われました。慎ましくて心がホッとするような、日本の故郷らしい春を満喫したい方は、ぜひ訪れてみてください。

続きましては、兵庫県丹波市。この地に春を告げるのは節分草(せつぶんそう)です。節分の頃に咲くことから名づけられた節分草は、日本原産の植物。
福寿草と同じくキンポウゲ科に属しますが、見た目はまったく異なり、可憐な白い花をつけます。主に西日本の山野でよく見られますが、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されており、いつまでも守り続けたい花のひとつとなっています。
丹波市の青垣地域では、スポットごとに3つの節分草にちなんだイベントが開催されます。江古花園の「節分草まつり」は2月10日(日)、遠阪公民館周辺の「遠阪セツブン草祭り」は2月24日(日)、丹波市最大の2万株の大群生地がある佐地神社周辺で行われる「森のせつぶん草まつり」は3月3日(日)の開催です。派手さはなくとも清楚で可憐な節分草を、ぜひお楽しみください。

最後は、船に乗って春を先取りしましょう。東京・浜松町から高速ジェット船に乗り最短1時間45分で着く伊豆大島。その最大の観光行事といえるのが「伊豆大島 椿まつり」です。
例年1月から2月上旬にかけて咲き始め、2月下旬から3月中旬に見頃を迎えます。その後、3月下旬から4月上旬にかけては、大島桜と一緒に楽しむことが可能です。
島には約300万本もの椿が自生。早咲きをはじめ約400品種、約2,000本の椿が見事な植物園「椿花ガーデン」をはじめ、東京ドーム約1.5個分の敷地面積を誇る都立大島公園、山口椿トンネルなど、見どころが島内に点在しています。椿の名所を巡りつつ、伊豆大島の観光スポットにも立ち寄って、春が到来した島をまるごと満喫してみてはいかがですか。