
ロープウェイで気軽にアクセスできる絶景スポットは、他にも全国各地にあります。その中から3つ、ご紹介しましょう。

まずは福島県中央部に位置する日本百名山のひとつ、安達太良山(あだたらやま)。あだたら山ロープウェイを利用することで、安達太良連峰、吾妻小富士、蔵王連峰などを望む10分間の空中散歩を楽しめます。山頂駅から遊歩道を5分程歩くと薬師岳パノラマパークにたどり着き、そこから眺める山々の姿は美しいの一言。高村光太郎著『智恵子抄』の一節「智恵子は東京に空が無いといふ、ほんとの空が見たいといふ」にあやかり、智恵子の故郷であるこの地に「この上の空がほんとの空です」と刻まれた碑が建てられています。
紅葉の見頃は場所によって異なり、安達太良山山頂~鉄山にかけては例年9月中旬から10月上旬、薬師岳や勢至平は10月上旬から10月中旬、気軽に散歩できるあだたら渓谷自然遊歩道周辺は、10月中旬から11月上旬にかけて見頃のピークを迎えます。

次にご紹介するのは三重県の御在所岳(ございしょだけ)。鈴鹿山脈のほぼ中央に位置する標高1,212mの山です。
この地の紅葉は例年10月中旬頃から色づき、一か月ほどかけて麓まで降りてきます。至るところに奇岩がそびえる山肌に、紅葉の赤や黄色、針葉樹の緑色が入り混じり、美しい紅葉絵巻が広がります。
ロープウェイでの空中散歩はおよそ15分。美しい紅葉を眺めつつ、山の上にたどり着くと、そこからさらに御在所岳頂上へアクセスする1人乗りの観光リフトがあります。ロープウェイを降りてから頂上まで歩くと約30分のところ、リフトなら約8分で到着。山頂の「望湖台(ぼうこだい)」からは、琵琶湖の雄大な姿を眺めることができます。紅葉を堪能した後は、山麓にある湯の山温泉でリフレッシュするのもおすすめです。

最後にご紹介するのは、長崎県の雲仙岳。普賢岳や妙見岳など、20を超える山々の総称です。先にご紹介した瀬戸内海国立公園と共に、日本で最初に国立公園に指定された地域でもあります。
雲仙ロープウェイの標高差は約174mで、距離は約500m。仁田峠駅から妙見岳駅間を約3分で結んでいます。紅葉の見頃は例年10月下旬から11月上旬にかけて。コミネカエデやウリハダカエデ、コハウチワカエデ、ウリカエデ、ドウダンツツジなどが創り出す色鮮やかな紅葉は、まるで海の中のサンゴ礁のよう。「普賢岳紅葉樹林」として国の天然記念物にも指定されています。
山頂からの眺望も抜群。島原半島を一望できることに加え、海を挟んで天草諸島や九州山脈の山々も見渡せます。天気が良ければ五島列島や桜島の姿を望むこともできるのだそう。色とりどりの紅葉とダイナミックな眺望をお楽しみください。