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「駅すぱあとアンテナ」8月号





6月30日、日本の新たな世界文化遺産として「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の登録が決定しました。今月は、その遺産がどのような歴史を辿ってきたのか、観光におすすめの地にも触れながらご紹介しましょう。

長崎にある教会群は、かねてから政府が「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として世界遺産登録を推薦していました。しかしながら、古い教会は世界の至るところにあります。そこでユネスコの諮問機関が「日本の特色といえる禁教期に焦点を当ててはどうか」と助言し、今回の登録に漕ぎつけた経緯があります。

禁教期とは、江戸時代にキリスト教の信仰が禁止されていた時期のこと。宣教師フランシスコ・ザビエルにより、初めて日本にキリスト教が伝来したのが1549年。それからしばらくは信仰が許されていたものの、1614年に江戸幕府がキリスト教禁教令を全国に発布しました。

以降、宣教師や信徒が相次いで殉教(処刑)の対象になりました。その中で起こったのが、約2万数千人といわれるキリスト教信者、すなわちキリシタンが反旗を翻した「島原・天草一揆」です。その主戦場となった「原城跡(はらじょうあと)」は、遺産登録された12の資産の中に含まれています。

現在も、女性や子どもが隠れていた「空堀」や、一揆軍が立て籠もった「竪穴建物跡群」、総大将となった天草四郎の像、散乱していた遺骨を納めて供養する「ほねかみ地蔵」など、歴史の一端を見ることができます。

一揆が鎮圧された後の日本は本格的な鎖国体制に入ります。もちろんキリスト教の信仰も厳しく禁止される中、幕府の摘発を逃れるため、実生活では仏教徒を装い、内面ではキリスト教を信仰する人びとがいました。それが「潜伏キリシタン」です。観音様をマリア様に見立てたり、その土地の言葉で祈りを捧げたりするなど、独自の工夫をして信仰を続けていきました。

やがて幕末となり、日仏修好通商条約が結ばれたのをきっかけに、長崎にフランス人が居住するようになりました。彼らのために建立されたのが、遺産登録された「大浦天主堂」です。あるとき、そこに日本人が訪れ、神父に向かって「ワタシノムネ、アナタトオナジ」と告げました。これが後に語られる「信徒発見」です。

2世紀半ほど禁教令が続き、宣教師もいない中で信仰が続いていたことに神父は驚き、大いに喜んで彼らをマリア像の前に導きました。その時の姿を描写したレリーフが、現在の大浦天主堂に刻まれています。

その後、日本は開国を迎え、諸外国からの圧力もあって1873年に禁教の高札が撤廃。やっと信仰の自由が訪れることになりました。

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、12の資産で構成されています。ここまで触れた「原城跡」と「大浦天主堂」は、いわば歴史の「始まり」と「終わり」の象徴です。これからは、その間に位置する資産の中から、観光におすすめの地をご紹介していきましょう。

12の資産のうち、唯一熊本県に位置する「天草の崎津(さきつ)集落」。もの静かな漁村の風景が広がる中に、ゴシック様式の崎津教会が建っています。尖塔の上に十字架が掲げられたこの教会は、1934年(昭和9年)に再建されたもの。堂内は畳敷きになっています。

教会が建てられた場所には、かつて吉田庄屋役宅跡があり、禁教期にはここで信心の有無を確かめるためにキリストや聖母マリアの「絵踏み」が行われていたのだとか。1569年から布教が行われていたこの地では、ほとんどの村人がキリスト教徒でした。

そのため、大黒天や恵比寿様をデウスに、アワビの貝殻の内側の模様を聖母マリアに見立てて崇拝していたそうです。祈りを捧げる際に用いた信心具も貝殻などで作られていたのは、漁村ならではのこと。それらの一部は、現在「崎津資料館みなと屋」に展示されています。

また、今も地元の信仰を集めている崎津諏訪神社にも立ち寄りたいところ。かつて潜伏キリシタンは同神社へ氏子として参拝し、「あんめんりゆす=アーメンデウス」と唱えていました。現在、神社の隣には旧崎津教会があります。禁教が解けた後、信者からこの土地を寄付されて建てられた木造の教会は、マリア像と十字架が掲げられているものの、一見すると民家のよう。決して派手さはありませんが、苦難の歴史を知ったうえで訪れると、感慨もひとしおです。

なお、崎津教会の近くには九州産交バスの停留所もあり、公共交通を利用した訪問も可能です。ただしバスの運行本数が限られているため、事前に駅すぱあとにて時刻表や経路などを調べることをおすすめします。 仏教、神道、キリスト教、さらに漁村文化が融和した地に、ぜひ足を運んでみてください。

※崎津の「崎」は、正しくは山偏に立に可。

厳しい弾圧を逃れるため、新たな土地を求めて移住し、そこでひそかに信仰を続ける潜伏キリシタンもいました。彼らの多くが向かったのは、長崎県の五島列島です。今回の世界遺産に含まれている4つの資産があります。

まずは「久賀島(ひさかじま)の集落」。禁教期、五島藩は久賀島に開拓移民を受け入れる政策を行っていました。

そこで潜伏キリシタンは移住し、いくつかの集落が生まれたのですが、いずれも農業に適さない地ばかり。そこで、仏教徒だった地元の人々の農作業や漁業に協力した見返りに、新たな田んぼを開墾させてもらうなど、互助関係を築きながら信仰を深めていきました。

「信徒発見」以降、久賀島の潜伏キリシタンは自らの信仰を正直に表明するようになりましたが、「五島崩れ」と呼ばれる大規模な摘発事件によって多くの人びとが命を落としました。

残った潜伏キリシタンは解禁後、カトリックに帰依し、潜伏が終焉を迎えた証として各集落に教会が建てられました。島内で初の教会堂は移築され、旧五輪教会堂として現存しています。

次は「奈留島(なるしま)の江上集落」。この地にも、「潜伏」が終わりを告げたことの象徴として建てられた江上天主堂があります。奈留島は複雑な海岸線と急斜面の山腹が多くを占めているため、移住に際しても畑を開墾し、家屋を建てるのに苦労したといいます。江上天主堂も、谷間のわずかな平地を利用して建てられました。

湿気の多い立地のため床を高くし、軒裏には装飾を兼ねた通風口を設けるなど、風土に適応した建築がなされている点が特徴です。それでいて、晴れて信仰が許された人びとが求める西洋的な特徴も備わっています。

残る2つは、五島列島の北部に位置する「野崎島の集落跡」と「頭ヶ島の集落」。かつて野崎島は沖ノ神嶋神社の神官と氏子のみが在住し、頭ヶ島は病人の療養地でした。移住した潜伏キリシタンはひそかに暮らし、信仰を続けていきました。他の島と同様に、解禁後には教会が建てられ、今に至ります。

ただし、現在の野崎島は、宿泊施設の管理関係者を除いて、ほぼ無人の島です。その一方で野生のシカが伸び伸びと暮らし、自然が色濃く残っています。その中にポツンと残されている旧野首教会の姿は、訪れる人の胸を打ちます。集落に住む17世帯の信者たちが、生活を切り詰め、費用を出し合って建てられたレンガ造りの教会。建物内に立ち入ることはできませんが、禁教から解放された人びとの喜びを感じ取っていただけることでしょう。

さて、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、これまでご紹介した資産に加え「外海(そとめ)の出津(しつ)集落」「外海の大野集落」「黒島の集落」「平戸の聖地と集落(中江ノ島)」「平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)」といった資産で構成されています。

なお各地の教会を訪れる際、日時によっては儀礼などで立ち入れない可能性もありますので、事前に問い合わせをしてから出かけることをおすすめします。いずれも歴史の背景を知ってから出かけることで、魅力が倍増する地ばかりです。ぜひ、訪れてみてください。
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
【 鉄道 】
JRは、JR時刻表2018年8月号の内容に対応
私鉄および公営は、2018年7月18日現在の時刻表に対応
<ダイヤ>
●島原鉄道
2018/8/4 改正
<臨時ダイヤ>
●多摩モノレール
2018/7/28 「国営昭和記念公園花火大会」開催に伴う臨時増発ダイヤ
●東京メトロ
2018/8/1 東西線 「江東花火大会」開催に伴う臨時ダイヤ
2018/8/11 銀座線「神宮外苑花火大会」開催に伴う臨時ダイヤ
2018/8/13~17 銀座線 夏休み期間の一部列車区間延長運転
●東武鉄道
2018/8/4 東武スカイツリーライン等
「足利花火大会」開催に伴う臨時列車運転と一部ダイヤ変更
2018/8/4 東武日光線
「古河花火大会」開催に伴う臨時列車運転と一部ダイヤ変更
2018/8/4 東武日光線
「日光夏の花火大会」開催に伴う一部ダイヤ変更
2018/8/4 東武東上線
「彩夏祭花火大会」開催に伴う臨時列車運転と一部ダイヤ変更
2018/8/4 東武東上線
「寄居玉淀水天宮花火大会」開催に伴う臨時列車運転と一部ダイヤ変更
●新京成電鉄
2018/8/4 「松戸花火大会イン2018」開催に伴う臨時ダイヤ
【 バス 】
●千葉中央バス
ダイヤ情報を追加
その他の改訂情報は駅すぱあとワールドをご覧ください。
次回2018年9月号は、2018年8月29日(水)配信予定です。お楽しみに!
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発行  株式会社ヴァル研究所 https://www.val.co.jp/
発行日 2018年7月25日(水)
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