
まずご紹介したいのは、神秘的なムードを漂わせている2つの滝です。
1つ目は千葉県君津市の「濃溝の滝」。栃木県の「華厳の滝」や、和歌山県の「那智の滝」などと比べ知名度こそないものの、画像をご覧いただければわかるとおり、都心から約1時間でアクセスできる立地にありながら、秘境のような雰囲気に包まれていますよね。

この滝が有名になったのは近年のこと。とあるユーザーが写真共有サービス「インスタグラム」に画像をアップしたところ、「素晴らしい!」「スタジオ・ジブリが描く世界のようだ」「ここは一体どこ?」と大きな反響を呼びました。
濃溝の滝があるのは、笹川湖(片倉ダム)の上流側にある清水渓流公園の中。天然記念物に指定されたモリアオガエルが生息し、初夏にはホタルが飛び交う自然公園です。一周15分程の散策路を歩いていくと、山肌にぽっかりと開いた洞窟の中、静かに流れる滝にたどり着きます。

滝といえば上から下へ流れ落ちるイメージですが、濃溝の滝は至ってなだらか。しかし、その静けさと、季節や時間帯によって変わる表情がなんとも魅力的。朝には洞窟に朝日が射し込み、日中は洞窟がつくる陰によって、木々の緑が円窓のように切り取られます。カメラの露出やシャッタースピードによっても趣きが変わるため、写真愛好家の注目も集めています。
アクセスは、JR久留里線の上総亀山駅からタクシーを利用するか、バスで片倉ダム記念館に向かいましょう(バス停は「君津ふるさと物産館」)。一躍人気が出たことにより、7月16日(土)から土日祝日に限り、片倉ダム記念館と濃溝の滝を結ぶ無料シャトルバスの運行が始まっています。
さて、もう1つおすすめしたい神秘的な滝は、宮崎県の「真名井(まない)の滝」。国の名勝・天然記念物に指定されている高千穂峡にある滝です。

高千穂峡の魅力である断崖絶壁の峡谷は、かつて阿蘇山が噴出した火砕流が五ヶ瀬川に沿って帯状に流れ、急激に冷え固まって生まれました。この地にある真名井の滝は、日本の滝百選にも数えられている名瀑。高千穂の天孫降臨伝説にちなみ、水がなかったこの地に天村雲命(アメノムラクモノミコト)が水種を移した「天真名井」から湧き出る水が水源といわれています。
その高さは約17m。夏季期間中は、真名井の滝と遊歩道がライトアップされます。滝は遊歩道から眺めることもできますが、貸しボートを利用して、優雅に高千穂峡を満喫しながら滝を見上げることも可能。その落差をダイナミックに体感することができます。
その他、高千穂峡には「高千穂三橋」「鬼八の力石」「玉垂の滝」など見どころが豊富。深山幽谷の中、神秘的な滝と出会う旅はいかがでしょう。
 |
濃溝の滝(君津市)
|
|
 |
高千穂峡・真名井の滝(高千穂町観光協会)
|
|