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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第96話

山形駅「花笠こけし弁当」

ねえねえ大ちゃん、山形駅の駅弁、かわいいね。なんていう名前?

これかい? 「花笠こけし弁当」だよ!

菜々 : え、花笠? もしかして、あの、お祭りのこと? 花笠音頭のこと?
大介 : ピンポーン! 東北四大祭の一つ、山形花笠まつり!
菜々 : 東北四大祭か、すごいな! ところで、他の三つはどこだっけ?
大介 : ドテ! ウーン。菜々ちゃん。週刊アクションの記者だったら、そのくらい知ってなくちゃ。
東北四大祭というのはね、まず「仙台の七夕まつり」、続いて「青森のねぶたまつり」、
さらに「秋田の竿灯まつり」、そして、「山形花笠まつり」。どれも素晴らしいけど、
山形は花笠音頭というだけあって、踊りと歌がいいね。
菜々 : あの花笠をクルクル回す踊りよね。どんな歌詞だっけ?
大介 : それじゃ、自慢の喉を披露しちゃおうかな?
♪ヤッショ、マカショ。花の山形、紅葉の天童、雪を眺むる尾花沢。
秋の山寺紅葉も見頃、私しゃ年頃、紅もさす。ヤッショ、マカショ。
菜々 : パチパチパチ、拍手! すごいね、山形の見どころが全部入ってる。 
大介 : 名所だけじゃないよ。お米に、ぶどう、りんご、さくらんぼなど、
山形の美味もちゃんと歌詞に入っているんだ。
菜々 : そっか。山形駅「花笠こけし弁当」には、山形の海の幸、山の幸が、籠めらているのね。
そして、この容器の可愛いこと! まあ、重い。プラスチックだと思って手にしてみたら、
瀬戸物の容器じゃない。
大介 : ピンポーン! 陶器の容器ってもの「花笠こけし弁当」の特徴なんだよ。昔は、全国各地
に陶器の駅弁があったけど、今では特殊な容器の場合はほとんどプラになっちゃった。
それだけでも、「花笠こけし弁当」は推薦したいね。
菜々 : 瀬戸物の駅弁容器って、山形駅の他にはどこがあるの?
大介 : うん。代表的なのは横川の「峠の釜めし」、千葉の「はまぐり丼」、
西明石の「ひっぱりだこ飯」など。他にもあることにはあるけど、瀬戸物容器の駅弁は、
今やごく少数派だね。全国全部合わせても、10個ぐらいじゃないかな。それに対して
全国の駅弁を仮に3000アイテムとすれば、10個だと、0.003%!
菜々 : まー、「花笠こけし弁当」はそれほど希少価値なのね。
大介 : うん。たしかに、駅弁ファンは掛け紙を、きれいに外して持ち帰るけど、経木や紙の弁当
箱を取っておく人はいないよね。プラの容器もほとんどの場合捨てられてしまう。でも、
瀬戸物だと持って帰りたくなる。温もりがあるからね。
菜々 : 「花笠こけし弁当」の容器なら、私、キャンディー入れに使おうかな?
大介 : お抹茶茶わんとしても使えそうだよ。
菜々 : 蓋つきだから、埃が入らなくていいかも。
大介 : そうだね。食べ終わったあとも、役に立つ駅弁容器は無駄がないね
菜々 : ハイ! 美味しい思い出と一緒にお持ち帰りください!