読みモノ&レポート満載! 駅すぱ図書館

駅弁ひとり旅・こぼれ話

第92話

会津田島駅「ソースカツ丼」1000円 なかじま

今回の漫画アクション『駅弁ひとり旅』は、「ソースカツ丼」だね。
カツ丼が駅弁だなんてユニークね。

うん。トンカツの駅弁は全国各地に結構あるけど、ソースカツ丼で、なおかつ卵でとじたものとなると、かなり珍しい存在だね。

菜々 : 昔からあったの?
大介 : うん、大正時代からあったそうだよ。でも、そんなに有名じゃなかった。会津では、ほら、
喜多方ラーメンがチョー有名だから、喜多方ラーメンに追いつき追い越せと、いわゆる
町興しの一環として「伝統会津ソースカツ丼の会」が発足したのさ。それが2004年。
菜々 : へえ、ということは、5年前、最近のことなんだね。
大介 : 特に会津田島駅の「ソースカツ丼」が一躍有名になったのは、2007年の京王駅弁大会
の時だった。僕ももちろん朝一で行って並んだけど、いや、すごい行列だったね。
菜々 : カツ丼って、お店で食べる場合は熱々状態じゃない。
駅弁だとどうしても食べるころには冷めちゃうよね。
大介 : そこが、冷めても美味しく食べられるように工夫されているんだよ。
僕は、カツ、いわゆるカットレットは世界各地に似たようなものがあると思うんだ。
例えば、オーストリアのウィンナー・シュニッツェルは子牛のカツだよね。でも、そのカツを
卵でとじるのは、日本オリジナルじゃないかな。だから、カツ丼は日本を代表する超ニッポ
ンの味だと思うわけ。
菜々 : うんうん、分かる。大ちゃんそのものが、カツ丼って感じだもん。
大介 : ドテ!
菜々 : ところで、会津田島駅の「ソースカツ丼」もユニークだけど、会津若松から会津田島まで
走っている「会津浪漫号」もユニークね。
大介 : うん、「お座トロ展望列車」のことだね。会津鉄道ご自慢の。
全国各地の風光明媚な路線にトロッコ列車が走っているけど、お座敷列車、
トロッコ列車、それに風覧望の3両編成ってのは、
会津鉄道だけだよ。
菜々 : なーに? 風覧望って?
大介 : あ、ごめん、ごめん。展望車のニックネームさ。
菜々 : へえ、楽しそう。
大介 : 会津鉄道の前身は国鉄の会津線。実はね今のJR只見線もかつては国鉄会津線だった
んだ。つまり兄弟だったんだよ。どちらも赤字のため廃止対象になったんだけど、只見線
は日本有数の豪雪路線のため廃止を免れてJRになったんだ。でも会津線は、第3セクタ
ー会津鉄道に。当時は、JRに見捨てられた会津鉄道が可哀そうだったけど、今は、会津
鉄道になってよかったと思ってる。
菜々 : わかった! 会津鉄道には「ソースカツ丼」があるから!
大介 : ピンポン、ピンポーン! あのね……菜々ちゃん、怒るよ!