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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第91話

SLばんえつ物語号

SLって、男らしくて、かっこいい! 菜々,ダイスキ!

「SLばんえつ物語号」のことだね。
C57(シゴナナ)の180
号機。新津の機関車(カマ)だね。

菜々 : あ! 今、大ちゃん、シゴナナって言った?
大介 : うん。正式には、「2C1 C57形加熱式蒸気機関車」だけど、通称は、シゴナナだよ。
菜々 : え、ホント? シゴを省略すれば、菜々(ナナ)型SLよ。
大介 : ちょちょちょ、ちょっと待った。それはどうかなあ? 「死後、菜々」にも聞こえるけど。
菜々 : だから、シゴを取っちゃうわけ。ね、「ナナ型SL」よ。
大介 : 困ったね。じゃ、一曲歌ってあげよう、ナナ型SLの歌を。
「♪ナナ、ナナ、男らしいSL, 菜々!」
菜々 : きゃー、ダメだわ。私、嫁入り前だもん。男らしいのはNGよ。
大介 : ハッハッハ、降参かい?
菜々 : うん、ガッカリ。
大介 : それじゃ、いいこと、教えてやろう。
シゴナナはね、現役時代は、急行など優等列車が専門でね、
足が長くて、ボイラーが細いところから、貴婦人って呼ばれてたんだよ。
菜々 : え? 貴婦人ですって!
大介 : うん。それに対して男らしい代表は、D51(デコイチ)さ。足が短くて、
ボイラーが太くて、もっぱら貨物列車とか山越えの旅客列車を引っ張ってたんだ。
だから、デコイチなら、男に形容してもいいけれど、
シゴナナは貴婦人っていうくらいだから、女性だよ。
菜々 : まあ、そうだっの。うれしい! それじゃ、一曲!
「♪ナナ、ナナ、貴婦人のSL, 菜々!」
大介 : ドテ!
菜々 : ところで、大ちゃん。磐越西線の幻の駅弁、日出谷駅のとりめし。
タッチの差で、買えなかったんですって?
大介 : だって、限定たったの20個だよ。それも僕らが乗ってたのは後ろから2両目の6号車、
それに対して、駅弁の売り場は2号車の前なんだもん。
全力で走っても間に合わなかったんだよ。
菜々 : それなのに、どーして、食べられたのかな?
大介 : それはね、クリスが気を利かせて2個買ってくれたから。
菜々 : あれ? クリスはどこにいたの? 大ちゃんと一緒じゃないの?
大介 : 一緒だったよ。同じ6号車さ。
菜々 : それなのに、クリスが2個買えて、大ちゃんが買えなかった、
ということは、途中で抜かれたわけ? クリスに。
大介 : だって、クリスはシゴナナのように足が長くて速いし、
僕はデコイチのように足が短いんだもん。
菜々 : ドテ!