読みモノ&レポート満載! 駅すぱ図書館

駅弁ひとり旅・こぼれ話

第63話

漫画アクション『駅弁ひとり旅』第63話に登場する駅弁は、
深川駅「番屋めし」735円だけど、同じ深川駅の売店で、
駅弁と一緒に販売されている「ウロコダンゴ」って、
名前がとってもユニークね。どんなおダンゴなの?
私、駅弁も好きだけど、スイーツにも興味津々なの。大ちゃん、教えて!

うん。「ウロコダンゴ」もね、深川駅で「番屋めし」を製造販売する
高橋商事さんの商品で、深川駅の名物ダンゴなのさ。
大正2年登場だから歴史的にもすごい。

菜々 : そういえば、第53話(単行本第5巻収録)で、根室本線池田駅の
「バナナまんじゅう」紹介したじゃない。あれ、美味しかったな。
大介 : うん、ほんのり、バナナの香りがするバナナ型白餡まんじゅうだったね。
菜々 : そのバナナはわかるけど、「ウロコダンゴ」のウロコって魚のこと? 
もしかしてオダンゴに魚のウロコが入ってるの?
大介 : ブッブー! 魚や爬虫類のウロコは身体を保護する役目で、表皮が角質化したものや、
真皮が硬化したもので、硬くて食用には向かないよ。
正解はね、魚のウロコに似た格好しているからさ。
菜々 : そっか、ダンゴっていうと、丸いオダンゴを連想するけれど、ウロコダンゴは三角形、
それが、魚のウロコってわけね。でも、どうしてウロコなの?
大介 : 実は面白いエピソードがあるんだ。そもそも最初はウロコの予定じゃなかったようだよ。
というのは、このウロコダンゴ、留萌本線の開業を記念して
大正2年に新発売されたんだけど、高橋商事の創業社長はね、
郷里の椿餅を文字って、椿団子にしたかったようだよ。
ところが、当時の深川駅長が椿さん。駅長と団子が同じ名前じ
ゃまずいってことで、
ウロコダンゴに変えたというわけさ。
菜々 : 駅長が「深川、深川、深川でーす」とホームで言うと、駅弁屋さんが
「えー弁当に椿団子はいがかですか?」じゃ、問題だもんね。
大介 : そうだね。当時の留萌港は鰊の豊漁にわき、鰊御殿に鰊長者、鰊様様だったのさ。
だから、銀鱗、つまりウロコは富の象徴だったんだよ。だから「ウロコダンゴ」さ 。
菜々 : ウロコは縁起物だったってわけね。あ、蒸しダンゴね、
これ。あまり甘くなくて、ヘルシーみたい。
大介 : うん。駅弁「番屋めし」のデザートにも最適だね。