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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第60話

漫画アクション連載の「駅弁ひとり旅」も今回で第60話。
釧網本線からいよいよ石北本線の旅が始まりま~す。
ところで大ちゃん、釧網本線の「釧網」は釧路と網走を結ぶって
ことは分かるんだけど、石北本線の「石北」って、何のこと?

それはね、石と北、つまり石と北とを結ぶっていう意味だよ!

菜々 : え? 意味不明!
大介 : じゃ、地図や時刻表を見ながら、よーく考えてごらん。沿線の地名とか駅名とか。
菜々 : あ、北は、北見の北かな。じゃ、石は、旭川駅? どう考えても違うなあ。
大介 : 半分正解だ。まず北見はOKだよ。北見~網走間は石北本線に編入される以前は、
網走本線だったんだ。じゃ、旭川は?
菜々 : あー、わかった! 石狩川だ。
石狩川の上流の石狩・北見の国境が石北峠って書いてある。
石狩・北見を結ぶから石北本線なのね!
大介 : ピンポン、ピンポーン!
菜々 : その石北本線の特急が「オホーツク号」ね。いかにも北海道らしい雄大な名前だわ。
あら、名前だけじゃないわ。顔も大きい! エラが張ってて、
「オレ様は特急オホーツク。偉いんだゾー!」って威張ってるみたい。
例えばこれまで乗った「スーパー 北斗」や「スーパーおおぞら」とは、
同じJR北海道の特急でも印象違うわ。
大介 : いいところに気がついたね。「スーパー北斗」や「スーパーおおぞら」は、
JR北海道になってから開発された、いわばJR北海道の顔だけど、
「オホーツク」は国鉄時代に開発されたキハ183系ディーゼル特急なんだ。
菜々 : 国鉄ってことは、JRが今年で21周年だから21年前? 私生まれてないかも。
大介 : ま、それは追求しないってことにしといて、
キハ183系特急用ディーゼルカーのデビューは1979(昭和54)年だから29歳。
菜々 : ねえ、大ちゃん。日本人の平均寿命は80歳ぐらいだけど、鉄道車両に寿命あるの?
大介 : イギリスには120歳の世界一の長寿電車が現役で走っている。
手入れさえよければ永久に走ることができるんだよ。けれども日本では、20年ぐらいで
第一線を退く、いや最近の都会の電車は10年で現役引退ってこともあるんだ。
例えばJRになって開発された京浜東北線の209系が早くも引退が決まったんだ。
菜々 : え、20歳前で? そんなの可哀相。
大介 : でも昔から、花の命は短くてって言うじゃない。
菜々 : うん。わたしもきっと短命なんだわ。美人薄命だもん。
大介 : 菜々ちゃんは大丈夫。イギリスの電車のように長生きできるから。