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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第57話

ねえ、大ちゃん。釧路駅の超有名駅弁「たらば寿し」美味しかったね!

うん。「いわしのほっかぶり」もユニークな味だったな。
どちらも釧路ならでは!

菜々 : ということで、釧路からはいよいよ、「釧路」本線よ!
大介 : ブッブッー! 釧路は正解だけど、釧路本線なんて路線はないよーん!
菜々 : え? だって、ほら、ここに、釧路本線って……、おや?
釧路本線じゃな
い? 路じゃなくて、網? どー読むんだろう? くしあみ本線?
大介 : ブッブー! でもま、仕方ないな。みんな間違えやすいからね。
正解はね、せんもう本線。釧路の釧は、音読で「せん」、網は「もう」。
釧路と網走を結んでいるから、その頭の1字ずつで、釧網本線ってわけ。
菜々 : ふーん。頭の1字ずつの路線名って多いの?
大介 : 他にもあるよ。仙台と山形を結ぶ仙山(せんざん)線。
仙台と石巻を結ぶ仙石
(せんせき)線……。
菜々 : え? 仙台の仙はそのまま「せん」だけど、山なのに「ざん」、石なのに「せき」、
ところが、釧網は、両方とも読み方変えて「せんもう」。日本語ってチョー複
雑!
大介 : 確かに複雑だけど、そこが日本語の面白いところ。文字だって、平仮名、カタ
カナ、
漢字があって、多くの漢字は二つ以上の読み方がある。アルファベットだけの
組合せより、断然、表現力は豊かだと思うんだ。どーかね、新米記者さん?
菜々 : あー、私、雑誌記者だったこと忘れるとこだった。釧網、釧網、釧網本線ね。
覚えたぞー!ということは、トーゼン、起点が釧路で、終点が網走!
大介 : ブッブー。正式には起点が網走で、終点は東釧路。
菜々 : え? 何でえ? だったら、網東釧線(もうとうせんせん)にすればいいじゃ
ん。
私、怒ったぞー!
大介 : もうとうせんせん? それじゃ、語呂が悪いから、釧網に決まったんだろう
ね。
菜々 : そっか! ねえ、大ちゃん、その路線の、起点と終点は、どうすれば分かる
の?
大介 : それはね、時刻表でその列車の列車番号が分かれば、一目瞭然さ。今日、
僕たちが乗る「くしろ湿原ノロッコ4号」は、9334列車、列車番号が奇数なら下り列車、
偶数なら上り列車、つまり、上り方向の終点が網走駅だから、網走が起点、
釧路が終点ってわけさ。
菜々 : え? 終点が釧路。さっき、大ちゃん、東釧路が終点って言ったじゃん。
大介 : おっと、失礼。忘れてた。そうそう、時刻表の地図を見てご覧。
釧路~東釧路間は、実は根室本線なんだ。
だから釧網本線は正式には網走~東釧路間の166.2
kmなんだよ。
もっとも、全列車、釧路発着だけどね。