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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第132話

静岡駅「不二の味覚」

ねえ、大ちゃん、由比ってすごいところだねえ!
東海道本線と国道1号線と東名高速道路の三つが
並んで走ってて、その先は海なんだもん。

驚いた?

菜々 : うん、とっても! 東海道といえば、江戸の昔から、東京じゃなかった、
江戸と京を結ぶ五街道の中でも最大の幹線でしょう? それなのに、箱根と
大井川以外に、由比のような難所があるなんて知らなかったわ。
大介 : そうだね、東海道といえば、「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」が
有名だからね。ところで、広重の絵も知らなかった?
菜々 : ううん、知ってたわよ。有名だもの。でもね、富士山とか波とか、浮世絵独特の
デフォルメされてると思ってたの。まさか、由比から見た富士山の絵が、江戸時代と
現代とで同じとは思わなかったわ。
大介 : 今の東海道新幹線は由比付近はトンネルだから何も見えないけれど、由比は難所
だったのさ。なぜなら、旧東海道がみかん山の中腹を縫っていて、明治22年に全線開業
した東海道本線は陸地ぎりぎり、国道1号線は線路の海側で古い防波堤が残ってる。
そして最後に開通した東名高速道路は行き場所がなくて、海の上だからね。
菜々 : うん、本当にすごいね。ところで、由比駅前の桜えびのモニュメント可愛いね。最初は
伊勢えびかと思ったけど、ずっと細身で目が大きいじゃん。あ、桜えびだと分かったわ。
大介 : 由比沖の駿河湾は日本一の桜えびの漁場だからね。
菜々 : ええ? 桜えびって、駿河湾が日本一なの?
大介 : そうだよ。実際には、駿河湾にも近い相模湾、東京湾にも桜えびは生息するけど、
桜えび漁が行われているのは駿河湾のみ。だから、日本の桜えびは
100%駿河湾産で、その中でも由比漁港の水揚げが1番なんだよ。
菜々 : す、すごーい! ああ、大ちゃん、桜えび食べたくなっちゃった。
大介 : だったら、やっぱ、由比の桜えび三昧だね。
菜々 : どんなレシピがあるの?
大介 : まずは、桜えびのかき揚げ、続いて、桜えび入りオムレツ、生桜えび、
それから「桜えび髭塩」なんてのも由比ならではだね。
菜々 : 桜えびのお塩があるなんて、びっくり! ところで駅弁は?
大介 : 残念ながら由比駅に駅弁はないけれど、静岡駅なら
「不二の味覚」がお奨めだよ。
菜々 : ワーイ! 不二の味覚って何だろうと思いきや、富士山の形をしてる。
しかも、ご飯が桜えびご飯。卵焼きはシラス入りね。
大介 : うん! 駿河湾は桜えびの他に、シラスも有名なのさ。どちらも、
とってもヘルシーな食材なんだよ。
菜々 : 大ちゃんのメタボにも効果あり!
大介 : ドテ!