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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第125話

米原駅「湖北のおはなし」1,100円 井筒屋

ねえ、大ちゃん。『駅弁ひとり旅』第125話は、米原駅の駅弁でしょ。
私ね、福井とか金沢とか北陸に行くとき、
米原駅で東海道新幹線から北陸本線に乗り換えるじゃん。だから、
いつも米原駅で駅弁買うの楽しみにしてたんだ。

米原駅の駅弁といえば昔から「ステーキ弁当」が有名だけど、
菜々ちゃんのお好みは?

菜々 : 私はね、「ステーキ弁当」も好きだけど、今、一番気に入ってるのは
「湖北のおはなし」よ。湖北って琵琶湖の北の地方って意味でしょう。
その湖北のおばあちゃんの味ってのが気に入ちゃったの。
大介 : たしかに、素朴な味わいだよね。ところで、菜々ちゃんは米原のこと、
「まいばら」って呼ぶけど、名神高速道路の米原ICと北陸自動車道との米原JCTは、
「まいはら」って濁らないこと知ってた?
菜々 : え? 本当? それじゃ、米原市は?
大介 : 米原市は今は「まいばらし」だけど、5年前に市になる前は
米原町「まいはらちょう」だったんだよ。
菜々 : ええ? どういうこと? 元々は「まいはら」なの?
大介 : ピンポーン! 地名の由来を調べてみれば、鎌倉時代の付近の領主、
米原(まいはら)氏が起源のようだね。したがって地名はずっと、米原だった。
ところが明治22年に鉄道が開通し駅が出来る際、「まいばら」と濁ったほうがよかろうと、
駅名のみ米原(まいばら)駅になった。それから、116年後の2005年、
米原(まいはら)町が市になる際、米原(まいばら)駅のほうが新幹線も止まるので
有名なので、それに習って「米原市(まいばらし)」なったというわけさ。
菜々 : へえ! 本来あった地名が、後からできた駅名を見習ったのね。
大介 : 大ピンポーン!
菜々 : それから、米原駅は新幹線停車駅だから前から知っていたけれど、
北陸本線の長浜駅がとても歴史的な駅だったとは知らなかったわ!
大介 : それじゃ、菜々ちゃんにとって、長浜とは?
菜々 :正直に言うと、鉄道じゃなくて、お城。長浜城よ。
豊臣秀吉の築城で、後には、山内一豊とか。
大介 : 豊臣秀吉というよりも、羽柴秀吉の時代だよ。
織田信長に認められ初めて築城した出世城というわけさ。
菜々 : 出世といえば、長浜駅の初代駅長、高橋善一駅長が、
後の東京駅の初代駅長さんですって?
東京駅といえば日本一の駅だから、一番出世した駅長さんてわけよね。
大介 : 国鉄のころはそうだったけど、今は、JR7社に別れたから、
JR西日本の長浜駅長が、JR東日本の東京駅長になるってことは、
もう有り得ないからね。
菜々 : それもそうね。
大介 : いずれにせよ、明治22年に竣工した長浜駅、現在の長浜鉄道スクエアは、
現存する日本最古の駅舎。今度、菜々ちゃん、近江方面に旅行する時は、
ぜひ長浜駅にも寄ってみてね
菜々 : 米原駅で「湖北のおはなし」買って長浜駅で途中下車ね!

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