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駅弁ひとり旅・こぼれ話

第117話

美濃太田駅「ちらし寿司ておけ」

大ちゃん、すごいね。美濃太田駅って、どんな駅か今まで
知らなかったけど、駅弁の立ち売りやさんがいるのね。うれしいわ!

うん。美濃太田駅といっても、実際に市の名前は美濃加茂市だから、菜々ちゃんが知らなくても仕方ないよね。

菜々 : え? 市と駅名違うの? それじゃ、美濃加茂駅はあるの?
大介 : ううん。美濃加茂市の中心にあって、美濃加茂市役所から一番近い駅が、この
美濃太田駅だよ。
菜々 : だったら、美濃加茂駅に改称すればいいじゃない? 美濃加茂市のPRにもなると
思うんだけど……。
大介 : うーん。それはどうかな。最近、平成の大合併で馴染みのない市が生まれている
けど、必ずしも好評とは言えないのでは? ことに、駅名は地元の人たちにとっては
とても重要、もっとも歴史ある駅は明治時代からあるから、簡単には改称できないん
だよ。美濃加茂駅の場合は特に難しいかもね。
菜々 : どうして?
大介 : いいかい。加茂駅だけでJR信越本線と関西本線、それに近鉄線にもある。美濃加茂と
非常によく似た、美作加茂駅もあれば、三加茂駅、阿波加茂駅、土佐加茂駅なども
あるんだ。
菜々 : その点、太田駅は?
大介 : うん。太田駅も多いよ。何も付かない太田駅は、JRにはないけれど、東武鉄道と
高松琴平電鉄にある。上に旧国名が冠されている太田駅は、羽後太田駅、
磐城太田駅、常陸太田駅、そして美濃太田駅さ。ほら、多いけど、美濃太田駅と
発音が似ているケースはないのさ。
菜々 : なーるほど。よくわかったわ! ところで、美濃太田駅の駅弁「ちらし寿司ておけ」って、
もしかして、容器は木製の手桶なの?
大介 : ブッブー!
菜々 : そうよね。本物の手桶だったらコストが大変よね。そうかプラか。
大介 : プラだって? それなら、ブブブのブーっだ!
菜々 : ええ? 違うの?
大介 : なんだと思う? 手桶よりさらに環境に優しいかもよ。
菜々 : ええ? なんだろう!
大介 : 正解は、美濃焼き。瀬戸物さ。家庭に持ち帰れば、小鉢としても使えるし、
小物入れや、植木鉢に使ってる人もいるよ。
菜々 : これは素晴らしい。駅弁の容器もエコロジーの時代よね。
大介 : そうだよ。プラや紙の容器はリサイクルされるのが常識になってきたけど、リサイクル
するのにも実際コストや手間がかかるし、その行程で熱も出ることを思えば?
菜々 : わ、わかったわ! 捨てられずに、そのまま再利用できる容器が一番ってことね!
大介 : ピンポーン! だから、美濃太田駅の「ちらし寿司ておけ」には、いつまでも瀬戸物の
容器で頑張ってほしいのさ。
菜々 : 賛成!

長良川鉄道ナガラ300形